アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<連載>宝田陽平の兜町アンダーワールド(591)「ノミ屋営業マンから有名株式評論家→タレントに」

 もう20年ぐらい経つだろうか。
かつて東京は中央区日本橋人形町界隈に「新世紀総業」という証券金融の会社があった。
株券担保に融資したり、買い付け代金を融資するという会社だが、実態は“ノミ行為”(=客の名前でなく、委託を受けた者が当事者として取引することを株式用語でこういう)をするノミ屋。100万円預ければ株を1000万円買えます、ってことだが、実際は株を買わず、株が下がれば追加の入金を迫る。そういう詐欺会社だ。
もう少し詳しくいうと、新世紀総業では客集めは当時の業界紙(日刊投資、証券新報、株式新聞など)に広告を打っていた。そして、株売買の注文は顧客ではなく、新世紀総業側で出していたから、借名であるわけで当時でも違法だが、当時は今と違い一般人には板や株価が見えない。そこで、実際はノミ行為どころか、カネを預かって注文すら出さないケースも少なくなかった。
当時、同社には旧山一証券で横領して逮捕された人物や、詐欺会社を渡り歩いていた人もいた。
もっとも、当時、この手の会社は新世紀総業に限らず兜町界隈に数多く存在していた。営業マンも違法行為なのは分かっていたが、歩合給が大きかったため熱心に営業していた。
当然ながら、社長の内田はその後、逮捕されたが、社員にまでは及ばなかった。
そんな会社の元社員でも、それから今日までの間に、実は起業家として成功した人、有名人となってTVに出演するまでになった人もいることはまず知られてない。

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