アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

国宝級古文書借用し紛失も、関係ないと言い張る「日本宗教学会」

「日本宗教学会」(東京都文京区。会長は気多雅子・京大大学院教授)という、その道の研究者が宗教学の発展普及を期することを目的とした組織がある。
80年の歴史を有し、現在、会員数は国内外に約2100名。宗教研究のための学術団体としてはわが国最大規模の権威ある団体だ。
その学会の調査団が、敗戦後、始めて学術調査の地に選んだのが長崎県対馬だった。
同地は古来よりわが国と韓国・中国を繋ぐ文化・経済・宗教の基点となっていた。しかも、戦火を逃れており未公開の古文書(祈祷・神楽・祭文類)が多数現存する。というわけで、同学会調査団が同地を選んだのはある意味、必然だった。
昭和25年(1950年)8月のことで、小口偉一・東大教授(故人。後に同学会会長も務める)を団長に9名が参加。国家的学術調査ということで、島民も全面的に協力し、かなりの数の未公開古文書を借用し持ち帰ったようだ。


時は流れ平成27年(2015年)、対馬の田口家36代当主の田口茂光氏が父・光行氏の遺品整理をしていたところ、前出・対馬調査団の小口団長が、父宛に出した古文書5冊の預かり証(=横写真)を発見。
これを機に、古文書の貴重性を認識していた田口茂光氏が対馬の他の古文書所蔵関係者に聞き取りしたところ、田口家同様、他も皆、その後、連絡も返却もなく放置されていた模様であることがわかったという(ただし、預かり証が残っているのは田口家だけの模様)。
そこで、田口氏は当然のことながら、日本宗教学会に連絡を取り、この5冊の古文書の返却を要請した。
しかし、結論をいえば、昨年6月9日、代理人弁護士から文書で届いた内容は、日本宗教学会とは関係ないというものだった。
いったい、どういうことなのか?

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