■プロフィール 株歴16年、出版社勤務の兼業投資家。資産は2015年に一時、一億円越えとなるも現在は漸減中。投資に必要なのは1に「需給」、2に「ファンダ」だと考えており、できるだけ負けない投資を心がけている。
≪先週の相場展望の振り返りと今週の見通し≫
10月20日木曜日の引け後すぐに東証から開示された「株式売買状況」。そこで2週連続、海外投資家が日本市場を買い越してきたことが明らかになった。待ちに待った年末高への“号砲”が鳴り響いた瞬間である!
詳細はテクニカルの項で後述するが、喜ぶべきはこれだけではない。以下に挙げる5項目もクリアし、相場の安心感を増す重要なファクターが出揃った形だ。
(1)11月8日に行われる米国大統領選挙の趨勢がみえてきて相場に安心感がでた。
(2)先週から米国企業の金融部門の決算が出そろい、これ以降も幅広い業種でコンセンサスを上回る決算が続いている。
(3)先週木曜日のECB理事会でドラギ総裁はテーパリングではなく、量的緩和の継続を示唆した。
(4)為替(ドル円)は、第3回テレビ討論会が終わり、大統領選挙期間中の沈黙期間に入るのでドル安誘導発言がでにくい状況。
(5)米国ヘッジファンド、投資信託関連の決算前の波乱も例年10月下旬には片付く。
そして同20日(木)、日本市場では突然ともいえる不動産関連株の一斉高があった。業種別騰落率では「不動産」は一時4%を越え、終値ベースでは3.5%の上昇となったのだ。同日日経平均は引けにかけて急伸し、237円高の17236円まで駆け上がったが、不動産株はこれに先んじて、前場寄り付いてすぐ、日経平均が17000円に乗ったあたりから明らかに動意づいていた。この日、大幅高と5連騰後に一段高した「三井不動産」(8801)をはじめ、大手不動産株が一斉蜂起で、この流れは金曜日も続いた。
不動産株は、価格の高騰のためマンション販売の不調が鮮明で、株価の出遅れが顕著ではあるが、今後のマンション販売の先行きの見通しが明るいとはいいがたいため、小生には買い上がる理由が思いつかない。買っているのは海外勢だと思われる。
また東証の出来高は、木曜・金曜の2日続けて2兆円を突破。10月はこれまで1度も2兆円を越えてこなかったにもかかわらずだ。
出来高を伴っての株高は決してうそをつかない。今週は日経平均の急上昇後なので一服する可能性は否定できないが、“年末高”に向け、海外勢が明確に舵を切ったとみていい。
目指すは5月31日の17,251円、4月25日の17,613円の高値だが、これをクリアするのはもはや時間の問題ではないか。
≪今週の注目イベント≫