アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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本紙既報のいじめ事件――学校側はいじめは“受験プレッシャー等から来た思い込み”と主張

本紙は過去2度、今年3月末まで「明治学院東村山高等学校」(東京都東村山市)に在籍していた女子生徒A子さん(現在、大学1年生)が昨年10月ごろ、クラスの12名から集団いじめにあったことから学校側に訴えたものの、真摯に対応してくれず、結果、抑うつ状態にまでなったとして、校長を相手取り東京地裁立川支部に提訴した件につき報じている。
提訴から丸10カ月以上経過し、学校側の「いじめはなかった」との主張がどのような根拠に基づいたものかほぼ見えて来たので追加報道する。
その前に、10月27日に文部科学省が公表した全国のいじめ実態について触れておく。(下写真は「毎日」10月18日一面記事)


大手マスコミ既報道によれば昨年度、認知されたいじめは全国で22万件以上で過去最多だという。内、いじめで心身などの重大な被害が生じるなどした「重大事態」は313件。自殺した子どもは214人で、内いじめ問題を抱えていたのは9人。
大津市の中学2年生の自殺を契機に、文科省は13年9月、いじめから子どもを守るために学校や行政の責務を定めた「いじめ防止法」を制定した。
今回、いじめ認知件数が過去最多となったのは、同法成立で学校側が積極的にいじめを見つけるようになったことも関係しているようだ。しかしながら、防止法制定後の約3年間でもいじめ問題を抱えた子ども23人が自殺しており、文科省はまだまだ取り組みは不十分としてかなりの危機感を持っているようだ。
その原因の一つが、学校によっていじめに対する認識に大きな差がある点だ。
いじめ=暴力というのは昔の間違った認識。今回の文科省の調査結果でも、いじめ内容(複数回答)は「からかいや悪口」が約64%で最多。以下、「遊ぶふりをしてたたく、蹴る」(約23%)、「仲間はずれ、集団による無視」(約18%)と続く。高校だけに限れば「パソコンやスマートフォンで誹謗中傷」が約19%もあり、時代と共にいじめ方法は大きく代わり、また巧妙、陰湿化しているともいえそうだ。
冒頭のA子さんのケースは「からかいや悪口」、「仲間はずれ、集団による無視」に該当するようだ。だが、学校側はいじめと認めていないから、今回の文科省のいじめ件数にはカウントされていない。
8月1日、校長は「被告準備書面(2)」を提出している(上写真は同書面の冒頭部分)。
そこにはこんな記述がある。
「7 むすび
以上、(1)もともと原告は高校2年の時から大学受験のプレッシャー等精神的な原因による体調不良を訴え高3の5月には突発性難聴になったこと、

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