■プロフィール 株歴16年、出版社勤務の兼業投資家。資産は2015年に一時、一億円越えとなるも現在は漸減中。投資に必要なのは1に「需給」、2に「ファンダ」だと考えており、できるだけ負けない投資を心がけている。
≪先週の相場展望の振り返りと今週の見通し≫
まずは先週の振り返りから。
「ヒラリー・クリントンのメール問題に関してFBIが再捜査」の報道が出たあたりから雲行きは怪しくなり、11月8日のアメリカ大統領選挙で「トランプ大統領誕生」の不測の事態を恐れて、市場からリスクマネーが続々退避してしまった。
先週金曜日の日経平均終値は16,905円(土曜の日経CFDは16,889円)となっており、11月1日の高値17,473円から一気に約600円もの大暴落。ようやく上値を取り始めた機運が、まるで蜃気楼だったかのように思える。
しかし大統領選挙まであまりに日が残されていない中でのFBIの再捜査は、はなはだ疑問が残る。このメール問題は、FBI内でも有望な人材が幾人も辞める、といった大波乱をまき散らして4月にいったん終結したはず。仮に来年1月20日の大統領就任までに、さらなる事実がでて「ヒラリー逮捕」ということになれば、逆にFBIが相当まずいことになるのではないかと思うが。
さて、今週の見通しはもちろん11月8日の「米国大統領選挙」がすべてである。今回の選挙は期日前投票がかなり進んでいるとのことで、出口調査からかなり早い段階で当確がでそうではある。よって日本時間のお昼ごろに大勢が決していればヒラリー・クリントン大統領の誕生が濃厚で、逆に日本市場が引ける頃になって、なおもつれていればトランプ大統領の芽がでてきていることだろう。
米国政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティックス」によると、全米50州のうち、すでに決定的(5%)な差がついている州の選挙人の数を計算すると、ヒラリー・クリントンが226人、トランプは180人、これに流動的な州(132人)が勝敗を分けると言われている。※過半数は270人である。
日本時間午前9時半には、激戦州であるオハイオ州「18人(トランプ3.3%優位予想)」、10時頃にはフロリダ州「29人(ヒラリー1.2%優位予想)」、ペンシルバニア州「20人(ヒラリー2.5%優位予想)」、ミシガン州「16人(ヒラリー4%優位予想)」、ジョージア州「16人(トランプ4.6%優位予想)」、ノースカロライナ州「15人(トランプ0.8%優位予想)」と、続々投票締め切りとなる。
選挙人獲得数が多く、かつ特にきわどい勝負となっているのがフロリダ州とノースカロライナ州。ここが勝敗の分かれ目となる可能性がある。