●過少申告で半分は常識。10分の1の例も 本紙は8月12日、「料金別納郵便」を悪用し、郵便局が裏金づくりをしている事実があると報じたが、その詳報が判明したので以下、報告する。 まず、「料金別納郵便」で数をごまかすことが、決して特異、かつ悪徳企業だけが行っているわけでないこと事実を示そう。 少し古いが、横に掲げたのは、数の誤魔化しの常習業者だとして、局内でこの業者がDMを出した際はよく確認すること という内部通達文書。いわば、ブラック登録された業者だ。このように、かなりの数に上っている。そして、そのなかに「○○テーニ」なる会社も入っている。実は同社はDMに強い上場企業。上場企業からしてこんな実態なのだ。 ●組織的犯罪だから、もみ消されたのでは? もちろん、そのなかには郵便局の不備を突いて過少申告するだけのケースもあるだろう。 だが、本紙既報のように郵便局側が協力しているケースも確かにあるのだ。 その典型例が、近畿郵政局管内で98年、浮上した贈収賄疑惑。 神戸中央郵便局幹部が、DM代行業者から現金200万円をもらった見返りに、過少申告を見過ごしていた。 内部告発があり、近畿郵政監察局が動いた。 ところが、その贈収賄容疑を確認しながら、本庁の監察室幹部との話し合いの結果、「他局でも同様の実態がある」、「立件しても郵政省(当時)にはメリットがない」として立件しなかった。 その当時の近畿郵政局のトップは誰あろう、郵政族議員として有名だった高祖憲治元参議院議員(自民)だった(公職選挙法違反事件で2001年に議員辞職)。 それはそうだろう。実は近畿郵政局管内の某郵便局は、問題のDM代行会社から振り込まれた別納料金の一部を、裏金として実に1000万円単位でプールしていたのだから。また、郵政族議員にマスコミ対策を依頼する計画もあった。 その後、この件は2000年11月、京都府警が摘発したのだが、「毎日新聞」が内部文書を入手し、その郵政ぐるの汚職隠しの実態を報じている(01年9月27日付)。…