この8月も、「少年少女自然体験交流ミクロネシア諸国自然体験」がミクロネシアで実施された。 100名近い子供が、南の島国・ミクロネシアを訪ね、自然体験をするというもの。 独立行政法人「国立オリンピック記念青少年交流協会」が実施した。 だが、昨年まで過去3年間は、森喜朗元首相が会長を務めていた財団法人「世界青少年交流協会」が、前出・交流協会の委託を受けて実施していた。 ところが、同財団は昨年8月、補助金不正受給などの疑惑が発覚し、解散した。同年9月には、森元首相の大学時代以来の友人である副会長等が補助金詐取容疑で逮捕され、今年5月には執行猶予付きの有罪判決が下りている。 同財団は少なくとも文科省から約1億7000万円、日本自転車振興会からも約1230万円の補助金が不正に受給し、財団副会長等はその一部をプラズマテレビ購入など私的流用にも当てていた。 その補助金詐取等の手口は、同財団が主催する国際交流事業において、利用する旅行会社に経費を水増し請求させ、その差額を返還させるというものだった。そのため、国土交通省は昨年12月、この水増し請求に協力していた旅行会社4社の役員を呼び、旅行業法に基づき「警告書」を交付、業務見直しを求めている。 その問題の旅行会社はJTB、近畿日本ツーリスト、日本旅行、東日本観光の4社。 ところが、以上のような経緯があったにも拘わらず、交流協会は今年も昨年同様の旅行会社(日本旅行)、それも同じ担当者、同じコーディネーターを使い、ミクロネシア自然体験を実施していたことが、関係者の証言等で明らかになった。 同ツアーに関しても、過去、水増し請求が行われていたと見られるだけでなく、ツアー参加の子供たちをホテルに寿司詰めするなどして経費を極端に圧縮、その差額も同様、裏金とし、政治家の資金援助にも当てていたとの疑惑も出ている。…