アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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松下電器温風機によるガス中毒死事件で蘇る、もう一つの欠陥商品隠蔽疑惑

●80年発売の松下電器温風機も欠陥商品。とばっちりで会社倒産、焼身自殺していた元社長

この4月20日、松下電器の温風機による一酸化炭素中毒事故が相次ぎ、小学生の中毒死まで出ていたことが明らかになっている。何とも痛ましい限りだ。
新聞報道によれば、事故が起きたのは85年から92年製造の「FF式石油温風機」。
もっとも、当時の基準の7年間の品質保証期間は過ぎており、冒頭に掲げたように、「毎日新聞」(05年4月21日)は一面で報じているものの、同記事を見た読者は、品質保証期間を大幅に過ぎているにも拘わらず、発売済の15万台を無料修理するとしており、事故に会った方は本当に気の毒だが、そのケア具合に“さすが松下”と感心する向きもあるかも知れない。
だが、同事件で思い出されるのが“マンデー事件”なる出来事だ。
80年当時、「マンデー」(青森県八戸市。別にMKテレビサービスも)なる量販店は、今回の事故を起こした製品と同型と思われる同社製品381台を購入し、200台以上を販売したが、「部屋が暖まらない」、「点火しない」といった苦情が続出。なかには出火したケースもあった。


そこで、松下電器側に返品されて来た分の引取を要求したが松下は「買取商品だから」とこれを拒否。その後、会談を行い、松下側は欠陥商品であることを認め、次回には最終解決案を持って来るといいながら、その後、音信不通になったという。

●偽造の和解文書作成

 実はその後、松下側は、同社とマンデーの間に入っていたガス会社(マンデーは松下と直取引してなかった)に対し、そのメーカーとしての強い地位を利用し、欠陥商品であることが広く世に知られないような解決を依頼。その結果、ガス会社は、マンデーとの間で1500万円にて全品買い取る代わりに公言しないことを要求。しかし、マンデーがこれを拒否したところ、その条件で契約したとする偽造文書を作成(左文書)、松下から出された引取資金の1500万円はガス会社が着服してしまったようなのだ。
もっとも、その後、マンデー側が東京の松下を訪ね、最終解決案を出さないことに抗議したことで、ガス会社による偽造契約書の存在が発覚(左下はそれを認めるガス会社の出した文書)。ところが、松下もその事実を知りながら、その偽造契約書の存在をいいことに開き直る。その結果、マンデーは故障の修理を含めてすべての負担を抱え(約1億円と推定される)、信用失墜も加わり、倒産してしまう。
その後、マンデーの小林勝社長は他の仕事に転身するが、その仕事もうまくいかず、03年7月1日、ガソリンを自ら全身にかけて焼死するという壮絶な死を遂げている。 実は小林社長はその松下の対応がどうしても許せないとして、死の直前まで松下電器を訪ねたり、松下糾弾のHPを開設する(すでに閉鎖)などしていた。

●警視庁幹部も事件もみ消しに関与

この事件、とても複雑故、ここでは全容を説明できないが、本紙・山岡も人を通じて小林氏から相談を受け、『噂の真相』で記事にしている(00年3月号。「遂に退陣した関口祐弘長官も絡む警察幹部総ぐるみ接待づけの内幕」)。というのも、この事件もみ消しに若いころの関口祐弘元警察庁長官まで関与していたからだ。同時期、フリーライター仲間の寺澤有氏も「フライデー」で記事にしている。また、本紙・山岡が以前、編集長を務めていた「東京アウトローズ」(休刊。03年3月16日号)でも一度、記事にしている。
松下の疑惑はひじょうに黒に近い灰色だったというのが本紙・山岡等、取材した者に共通する実感だ。
今回も、「毎日新聞」は松下が一時公表を見送ったとしているように、できれば、“欠陥商品”の発覚を防ぎたいのは“天下の松下”といえど同様。
今回の事故発覚、ひょっとしたら、小林氏の強い怨念がそうさせたのかも知れない。合掌。

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