アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

<連載>アッシュブレインの資産運用ストラテジー「今週の相場展望(2月20日~2月24日)&MY注目銘柄」(第23回目)

■プロフィール 株歴17年、出版社勤務の兼業投資家。資産は2015年に一時、一億円越えとなるも現在は漸減中。投資に必要なのは1に「需給」、2に「ファンダ」だと考えており、できるだけ負けない投資を心がけている。 ≪先週の相場展望の振り返りと今週の見通し≫ 先週2月17日金曜日の日経平均終値は19,235円。土曜の朝、日経平均CFDは19,145円と小幅安。アメリカや諸外国は軒並み快晴だっていうのに、なんとも曇天模様の日経平均株価である。個人的には、2月末にかけては2月のSQ値である19,276円を割り込まない強い展開を想定していたから期待外れとなってしまった。特に為替は期待外れ。日米首脳会談で反転したのもつかの間、また112円台に戻ってくるなんて完全に想定外だった。次の円安への反転の契機はトランプ減税か、利上げか? とにかく為替は掴みづらい。  とはいえ、アメリカ・ダウも疑いの余地のないような経済指標がバンバンとでているにもかかわらず、なんだか上値が重いではないか…。そもそもEPSだけでみると日経平均のほうがダウよりも数値がよいわけで、アメリカ株は日本株と比べると買われ過ぎている、ともいえる。とにかく「ダウ」さまに関しては風邪などお引きにならないように気を付けてもらいたい。ダウがくしゃみをすると日経平均は風邪を引く、とはよく聞く投資格言なので…。 そのアメリカも、なんせトランプ政権であるから、内憂外患で順風満帆とはいっていない。閣僚ポスト15枠中、2月17日現在、議会承認をされたのはまだ9人。かなりのスローペ-スで実務運営に大きな支障がでる可能性がでてきている。とりわけ心配なのが3月15日の米連邦債務上限引き上げ期限問題。これが通らないとトランプ政権は政策をなにも実行できないことになる。 今週はさして大きなイベントもなく、方向感がわかりにくい。ただ、アノマリー的には例年2月~4月までは上げ相場で、夏から11月までは軟調となることが多い事実は見逃せない。というのも、3月末決算をにらんだ2月中旬から換金売りが出ているに過ぎないだろうから、ここから弱気になる必要はない。今週も決算の良い業種のなかから、注目銘柄を探っていきたい。決算がでそろったことで上がりに上がった半導体・有機EL関連などがリカク売りされているのは良い拾い場になると感じている。 また、頼みの綱だった日経平均EPSは、15日水曜日に東芝の大幅赤字決算を織り込んで1204円まで落ちこんだ。1社で25円から30円のマイナス寄与だそうで…。ここは冴えないな…と嘆く暇があったら、チャンス到来と相場に臨みたいところだ。 ≪今週の注目イベント≫ 20(月)国内半導体BBレシオ(16:00) 22(水)米1月中古住宅販売件数(24:00) 23(木)米2月マークイットサービス業PMI・速報値(23:45) 24(金)プレミアムフライデースタート ≪今週以降の注目イベント≫ 28(火)トランプ減税&一般教書演説(予定) 3月10日 国内メジャーSQ 3月中旬頃 トランプ政権の予算教書(予定) 3月15日 FOMC&米連邦債務上限引き上げ期限 3月15日 オランダ総選挙 3月16日 日銀金融政策決定会合 3月17日 米MSQ(17日) ≪テクニカルポジション≫ さっそく、5日移動平均線を確認すると19,344円、25日線は19,116円、75日線は18,702円、200日線は17,340円。(※2月SQ19,276円、1月SQ19,182円) 25日線である19,116円は割り込むとろくなことが起こらないのでとにかく耐えてほしい。 ドル建て日経平均は、17日(金)時点で169.63ドル。先週末比0.79ドルのマイナスに(10日170.42ドル、3日167.32ドル、27日169.22ドル)。1月26日(木)には171.20ドルまであり、これは17年ぶりの歴史的快挙だということを付記しておきたい。4年チャートをみると169ドルが節になっているように見えるが、このラインで崩れておらず高値堅調だといえる。 次は東証1部とマザーズ市場の出来高を記していきたい。出来高は外国人投資家が日本株にどれだけ関心を示しているか示す「体温」のようなもので、重要指標である。さて東証1部の週間売買代金は、2月3週目11兆2341億円、と前週比69億円(2月2週11兆2272億円、2月1週12兆1200億円)の増加だった。1日平均の売買代金は2,25兆円と先週比変わらず。前半はトランプの減税発言で日経平均が反騰したにもかかわらず、先週後半には出来高が2兆円程度と減少傾向になったのも、嫌な気分にさせられるところだが、後述する『海外勢の週間売買動向』に驚かされた。 マザーズはというと2月3週目、週間売買代金は6兆1452億円と前週比【1兆8262億円】の増加(2月2週4兆3190億円、2月1週4兆7400億円)と大きな伸びを見せた。1日平均の出来高が1兆2290億円と、1兆2000億円を越えてきたのは昨年の【7月上旬】以来であり大注目となる。日経平均が動かなくとも、小型、マザーズには資金が回っているということか。 さて海外投資家の投資部門別週間売買動向(日経平均現物&先物・TOPIX・JPX含む)を記したい。海外投資家の動向は2月2週目の東証1部で、外国人は+1490億円(先物+37、現物+1453)の買い越しとなった。先週はド級(-4675億円)の売り越しとなっていたが、売り過ぎだったのだろうか? 通常なら外国人はひとたび大幅売り越しに転じると、2ヵ月などの長いスパンで売り越し基調になることが多いので警戒はしたい。ちなみに先週の22回記事では「おそらく2月2週目も大幅売り越しだろう」と書いたが、あの日経平均19000円割れの曇天模様の中、押し目買いを入れていた!と分かったのは単純に勇気づけられる。海外勢は相変わらず日本株の先行きに強気だということだ。そして個人部門はというと、2月2週目は-2755億円(先物-505、現物-2250)の大幅売り越しになった。先週は+2824億円の大幅買い越しだったが、この週は海外勢に株を巻き上げられた形となっており、経験則から考えると今後の先行きにプラスだろう。 信託銀行(年金)は、日経平均が下がると買って、上がると売る傾向なので、今週から割愛し掲載なしとする。 続いてマザーズ市場、東証2部の概況もお伝えしたい。 まずマザーズ市場。2月2週目、海外勢は-92億円(先物-4、現物-88)とかなりの大きさでの売り越し、先週は-28億円の売り越し。ただ翌週である2月3週目は、出来高・指数ともに盛り上がっていたので、これが海外勢の買いだったかどうかを見極めたい。 個人はというと2月2週目は+30億円(先物+2 現物+28)と買い越しとなった。先週は売り越し、先々週は買い越しとまったく落ち着きがない。こちらも2月3週目はマザーズの指数は強かったので、仮に個人が売らされて海外勢が買っていたのなら、強気相場の胎動だったということになる。 東証2部。2月2週目は海外勢が67億円の買い越し、個人は-82億円の売り越し。個人がまとまって売ったのを海外勢が買っている様子がうかがえる。 需給データは信用買い残が2月10日時点で、前週比77億円減の2兆3351億円。裁定買い残は2月10日時点で167億円減の1兆6326億円。※裁定買い残は3.5~4兆円をつけるとピークだといわれ、かつては1兆8000億レベルで底入れするといわれた。 前週の空売り比率は、2月17日が38.8%。※相場のボトムアウトは30%だといわれる。 最後に米国10年債券利回りは10日時点で2.42%。※危険水域は、現在のGDP成長率だと3%~5%ライン。2.6%を越えると債権から株へのグレートローテーションが加速すると債権王ビル・グロス氏が警鐘を鳴らした。 ●注目銘柄 『エヌアイシ・オートテック』(5742)ジャスダック 株価1605円 PER20.72(会社17年度予想)PBR2.39 配当1.68% ※時価総額88億円 生産設備用構造材『アルファフレーム』、クリーンルーム・FA装置、商事を3本の柱とする同社。FA装置などに使用される構造材「アルファフレームシステム」や、洗浄・検査装置およびFPD(フラットパネルディスプレー)、業界向けのクリーンブースなどの受注が好調に推移しているという。 それは同社が2月3日に出した第3四半期決算でより鮮明になった。3Qで売上5,905百万、営業利益563百万、EPS65.98円を出したが、会社の通期予想は売上7,743百万、営業利益677百万、EPS77.44円。すでにEPS比で3Qまでに85.2%の達成となっている。上方修正間近なことは疑いようもない。それがわかりやすいので、同社の決算発表のIRから要点を引用する。以下↓引用。 <FA装置(自動化・省力化装置)及びロボット関連機器等にも使用される当社主力製品「アルファフレームシステム」の大口案件の受注を順調に確保し、また、国内外の自動車部品製造企業向け洗浄装置や検査装置等、さらに、有機ELやLCDといったフラットパネルディスプレー(以下FPD)製造企業向けの大型カスタムクリーンブース等について順調に売上高を伸ばした。  セグメント別の業績は[アルファフレーム部門]におきましては、FA装置等に使用される「アルファフレームシステム」の大口案件について、 主要顧客での受注が増加したことに伴い、大幅な増加となりました。なお、これらの案件は当第4四半期以降も順調に売上高が推移するものと見込んでおります。この結果、当部門の売上高は3,451百万円(前年同四半期比173.1%)となりました。 [装置部門] におきましては、自動車部品製造企業向け設備として、洗浄、検査等の単体設備として安定した受注を確保いたしました。またFPD業界向けクリーンブース案件及び特殊仕様の構造物案件については、予測より好調に推移いたしました。この結果、当部門の売上高は1,642百万円(前年同四半期比103.2%)となりました。 当社グループは、2016(平成28)年度から2020(平成32)年度までの5ヵ年を期間とする中長期経営計画において、その最終連結会計年度における売上高・事業の規模を倍増する計画を掲げております。この計画に基づき、当社グループでは、当連結会計年度を「倍増計画元年」と位置づけ、当社が株式を上場して以来、最大となる大型設備投資を計画いたしました。その第1弾として平成28年8月には海外子会社への増資を実施し、第2弾として新工場(名称:立山事業所)の建設を決定し、平成28年8月に工場用地を取得するとともに、同年11月より建設工事に着工いたしました。国内の少子化・残業時間の規制等による労働力不足や、新興国の労働賃金上昇等の問題によって、国内外ともに各種生産・製造工場での自動化の波は、今後さらに高まることが見込まれております。このような状況のもと当社グループとしては、FA装置等の事業は成長産業と捉えており、新設する立山事業所をFA装置等のさらなる受注拡大を目指す重要な拠点と位置づけることとしております> 2018年度は、旺盛な需要に応えるべく、平成29年5月に完成する立山事業所の大型設備投資が寄与してくる。FA装置(自動化・省力化装置)の需要は世の流れで、もう止めようもない。2000円の大台までは強気で注目し、さらには長期的にも注目していきたい企業である。…

この続きを読むには有料購読の登録が必要です。

関連キーワード
検索

カテゴリ一覧