●ロイヤリティー契約名目で、自動的に売上高の2%を吸い上げる持ち株会社 本紙・山岡は、荒木民生氏が、世界的な建設コンサルタントとした知られるパシコングループの持ち株会社「PCIG(パシフィックコンサルタンツグループ)」、国内向け中核企業「PCKK(パシフィックコンサルタンツ)」、それに「PPM(パシフィックプログラムマネージメント)」3社の代表を務めているにも拘わらず、まったく個人的な私利私欲のため、聖蹟ビル横土地、石垣島のイーストチャイナシーホテルを舞台にした特別背任疑惑が浮上していることを報じて来た。 もちろん、どちらも確たる証拠に基づいている。 そんななか、本紙・山岡につい最近、一通の手紙が送られて来た。 その中身は、前出・持ち株会社PCIGとPCKKとのロイアリティー契約に関するものだった。 その契約は、PCKKはその売上高の2%をPCIGに献上せよというもの。仮にPCKKの今期の売上高が350億円だとすれば、7億円をPCIGに差し出せというもの。PCIGは、PCKKとPCIを統括する持ち株会社だが、荒木氏はPCIGとPCKKの代表を兼務しているから、有り体に言えば、荒木氏がPCKKから合法的にカネを巻き上げる契約書とも言えるだろう ●役員反乱の防止も果たす持ち株会社 何しろ、PCKK社員は約1280名なのに、PCIG社員はせいぜい10名足らずで他のグループ会社との兼務者が大半。生産的な仕事は皆無といっていいのに、なぜ7億円もの金を取るのか? 7億円と言えば、PCKK全社員の給与のほぼ1カ月分に相当する(海外向け建設コンサルの中核企業であるパシフィックコンサルタンツインターナショナル=PCIからも同様、2%のロイヤリティーを取っている。PCIの年間売上高は約200億円だから、そのロイヤリティー代は約4億円になる)。 PCKKの新評価システムでは、利益に応じたボーナス支給ということになっている。つまり、これではPKCC社員は丸々1カ月分のボーナスを何の根拠もなく荒木代表に掠め取られていることになる。この契約がなされる前から、「経営指導料」なる名目でPCKKはPCIGに金を貢いで来た。だが、それは3億円程度のレベルだった。それが一気に2倍以上になり、また「ロイアリティー」という明確な契約に変わったが実態は実に不透明なのだ。 では、そんな実態にも拘わらず、なぜPCKKの役員会はそんな契約を承認し、社員のボーナスを減らしているのか? そこにはカラクリがある。 PCKK役員は、前出・持ち株会社PCIGの株主承認で役員になっている。その株主行為を牛耳っているのが、他ならぬ荒木代表だからだ。したがって、荒木代表に逆らえば役員解任が待っている。先日のPCIの役員解任事件はその典型例といえるだろう。 持ち株会社が“利益収奪”と“独裁制維持”の道具に成り下がっていると言える。…