●「遺棄化学兵器処理機構」役員が、疑惑の石垣島ホテル経営会社社長を兼務
本紙は今年5月17日、「パシコン・荒木民生代表が本紙・山岡等を訴えた背景に、中国利権?」なるタイトル記事を報じている。
わが国政府全額負担で、中国において旧日本軍が残した化学兵器の処理施設を新設するという「読売新聞」記事を紹介。
その利権は約780億円にもなるため、パシコンとしては何としても受注したいが、そのパシコングループの「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI)がODA事業で不正を行って指名停止を受けた上に、同グループトップの荒木民生氏が本紙・山岡によって特別背任疑惑を報じられた。とあっては、ともかく本紙指摘の疑惑については、事実無根と訴訟提起してもらわないことにはかっこうがつかないと、政府筋から内々に荒木代表側に打診があり、結果、荒木代表は記事は正確で、やぶ蛇になると認識しながらも、やむなく訴訟提起したのでは、という内容だ。
今回、報告したいのは、パシコンはこの中国利権に随意契約で、すでにもろに噛んでいたという事実。
まず、掲載した2つの会社謄本の各一部をご覧いただきた。
左はパシコンのグループ会社「遺棄化学兵器処理機構」。
右もグループ会社「イーストチャイナシーホテル」。
「機構」は04年3月に設立されているが、その「目的欄」を見れば一目瞭然のように、まさに前述の780億円を含む、旧日本軍の遺棄化学兵器処理利権のために設立された会社なのだ。
その役員のなかに、「岩本達雄」なる人物がいるが、彼は「イーストチャイナ」の代表取締役でもあるのだ。
石垣島のホテルを巡る荒木代表の一連の疑惑、そのまさに舞台がこの「イーストチャイナ」であることは、本紙連載ですでに何度も報じている。また、このホテルの総支配人を、あろうことか、荒木代表の次男が務めているという公私混同ぶりについては、連載11回目で報じている通り。
こうした事実を思えば、岩本氏は荒木氏の疑惑に加担していると言わざるを得ない。こんな人物が国家的プロジェクトといっていいこの中国における事業に深く関わる「機構」の役員に就いているのだ。