アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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ご注意!! 巧妙化した仮想通貨(暗号資産)「ファントム」への投資詐欺

仮想通貨(暗号資産)への投資詐欺については、本紙でもこれまでに多くの実例を紹介している
その詐欺の手口は基本的に、将来の高リターンで引きつけ、その仮想通貨発行準備の資金獲得のためのプレセールと称して仮想通貨そのものを買わせる。詐欺に問われないように、その大半は上場(海外の仮想通貨交換所で売買できるようにする)するのだが、詐欺師は上場が目的になっており、上場しても、その仮想通貨に魅力を感じて購入する者はまずおらず、したがって、売買しようにも無価値といってよく、投資家は大損するというパターン(上場さえしないケースもある)。
ところが、今回紹介する仮想通貨「ファントム」(Fantom)のケースでは、ファントムコインそのものをダイレクトに購入させるのではなく、「FDP」なる団体に投資させる点が違い、さらに詐欺に問われないようにより巧妙化している。
このファントム、発売が開始されたのは2019年2月とされる。
提唱者はAhn Byung IKなる韓国人。2018年にFantom財団で開発され、Ahn Byung IKは同財団の設立者で科学者だと。そして、このコインの売りは仮想通貨の流通で第2位を誇る「イーサリアム」が抱える決済スピードの遅さと手数料の高さを解決し、今後イーサリアムの代替になる得るとして、通称「イーサリアムキラー」とも呼ばれると。
 そんなに優れた仮想通貨なら、ダイレクトに販売すればいいと思うのだが、ここで登場するのが前出「FDP」という正体不明の団体。ここが投資家の代理でファントムを大量に預かり、その金利(株式投資のような配当がある)で最大13%(年利)、さらに投資家にこのファントムを紹介して新たな投資家にFDPに投資してもらうことで紹介報酬ももらえるという。こちらの紹介報酬に関しては、マルチ(MLM)方式を取っている。
しかし実際は、そもそもFDPが代理でファントムを預かる場合、最低でも2割を抜くことになっており、紹介して紹介報酬を得られない以上損をする仕組み、すなわち、ポンジスキームとの見方もある。
なぜ、「見方もある」と曖昧な言い方をするかというと、このFDPのHPは存在するものの、どういう団体で、誰が代表で、どこに所在するかさえ公開されていないからだ。
では、なぜ、そんなところに投資する被害者が存在するかというと、前述のようにマルチ方式を取っていることから、すでに投資した者が、自身もよくわからないまま、ただただ大儲けできる(FDP側はイーサリアムに成り代われば1600倍以上の価値になると謳っていた模様)と、キチンと説明しないまま、強引に勧誘するからだ。
マルチ方式の特徴で、知り合いが勧誘、それもしつこく勧められることから、根負けして、まさか知り合いが詐欺話を持って来ないだろうと購入してしまうケースは多い。

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