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<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第106回「デヴィッド・マッカラムは吹き替えが良い」

 

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

 俳優のデヴィッド・マッカラムが亡くなった。なんと90歳だった。
毎週観ていた『0011ナポレオン・ソロ』は小学6年から中学生にかけて、もう半世紀以上も昔の話だ。国際秘密組織アンクルに属するソロ(ロバート・ヴォーン)とイリヤ・クリアキン(マッカラム)のコンビが、悪の組織スラッシュと戦うという007を意識したアクションものなんだけど、適度にお笑い、お色気もあって、毎回面白かったのだ。メインはソロなんだけど、これが結構スケベな男で、相棒のイリヤのほうがクールなタイプで特に女性ファンが多かった。
 ソロの吹き替えが矢島正明、イリヤの吹き替えが野沢那智。2人のセリフの掛け合いが、アドリブを交えて絶妙だった。ちなみに映画化も何本もあり、2人とも英語でしゃべっていて(当たり前だ)なんだか別人のようで違和感があった。それだけ当時の外国ドラマの吹き替えがうまかったのか、声優に遊び心があったのか、よく考えれば不思議である。おなじみ『コンバット』のサンダース軍曹役のビック・モローなんて田中信夫の吹き替え以外考えられないもんね。
マッカラムの話に戻ると、映画俳優としては、意外に活躍せずこれといった代表作がないんだよ。ロバート・ヴォーンなんて悪役から大統領、ナチスの将校まで何でもこなすのに比べて地味なのだ。そんななかで、忘れられないのが『大脱走』だ。これは脇役だったけど、なかなか壮烈な死にざまで今でも記憶に残っている。

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