アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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業務上横領で告訴された大物投資詐欺師(*記事訂正あり)

今年4月1日、警視庁最寄り署にK氏(40代)なる者が告訴された。
その告訴状や関係者の証言などによると、容疑は業務上横領とのことだ。
本紙がK氏に注目するのは、この者、これまでに様々な投資詐欺(疑惑分も含む)を行い、それにより集めたカネは数百億円ともいわれる大物。しかも、今回の容疑が詐欺ではなく、業務上横領なのは、先の投資詐欺(その会社は実質破たん)を終えるや、別の投資会社にCFOとして入ったことを奇禍として、これまでの自らの投資詐欺案件でうるさく返済を迫る被害者に対しては、CFOに就いた何ら先の投資詐欺とは関係ない投資会社の資金を業務上横領しいくらか返済し逮捕逃れ。それだけでも、何とも大胆な犯行だが、CFOに就いて約2年後、また新たな投資詐欺を開始するや、その業務上横領した投資会社の顧客のかなりをそちらに引き抜き、現在も投資詐欺に邁進しているという。そして、未だに前科なし。究極とも思えるスゴ腕だからだ。
そのK氏がCFOに就いていたのは、アラブ首長国連邦のドバイに本社を置く投資会社「FAGT」。同社は農業等の事業を展開する一方、投資事業も行っているという。もっとも、同社は日本に法人を持たないため、日本の投資家からの資金調達、配当などの事務手続きは「S」(東京都豊島区)なる会社が行っているが、日本在住のK氏はCFOとして、このS社の財務・経理業務を一手に引き受けていた。彼がCFOをしていたのは、21年初めから実質解任された昨22年12月26日までの約2年間。
告訴状などによれば、この間、K氏はCFOの地位にあったことを奇禍として、情を知らないS社社員に指示し、総額少なくとも2億1000万円以上を、K氏が代表を務める「I」(東京都渋谷区)や親族の口座に送金、さらに私用のブランド品、高級時計の支払いまでさせていたと思われる。
「K氏も、被害者の投資会社も、投資家はMLM(マルチ)方式で募っていました。そこでK氏はまだCFOをしていた昨年11月から、FAGTのグループ会社と錯覚させるようにして自分が新たに始めた投資詐欺案件の募集を始めていたんです。ですから、この事実が判明してFAGTの顧客はカンカン。FAGTの大川力也代表に対し、K氏から示談の申し込みがあっても応じないようにとの『嘆願書』が2000通以上も出されています」(投資家の一人)

(*2024年11月18日付で写真削除、記事一部を修正しています。これはK氏ではなく、関係者をターゲットにした別件捜査が進み、それにK氏が協力していることが判明したためです。ただし、それは必ずしもK氏の疑惑が事実無根を意味するわけではありません)

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