アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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大阪府済生会有力理事が、病院建替工事受注巡り、エセ同和団体を使って、自分の息のかかっていないゼネコン排除画策

●大林組と組んで、竹中工務店受注を阻止

済生会といえば、そもそもは明治後半、時の天皇が貧しい者にも医療が受けられるようにとの高い理想の下に発足。社会福祉法人(恩賜財団済生会という)の認可を受けており、病院の固定資産税はタダという特典を受けるなど極めて公的性格の強い組織だ。しかも現在、その施設数は病院関係だけで全国に89(病床数約2万3000床)という巨大規模を誇る。
ところが、そのような沿革にも拘わらず、大阪府済生会の有力理事が、自分の息のかかった特定業者に建設工事を受注させるため、エセ同和団体に入札妨害をさせたというのだからとんでもない話。信じられないという読者の方もおられるだろうが、この情報提供者は依頼を受けたエセ同和団体側の人物。まさに当事者であるだけに、その信ぴょう性は極めて高いと言わざるを得ない。
問題の舞台となったのは、大阪府済生会茨木病院(大阪府茨木市)の老朽化に伴う新築工事。02年3月29日が入札予定だったが、事前に、「竹中工務店が受注する」、「これには済生会の○○の意向が働いている」といった内容の怪文書が病院周辺や役所にバラ撒かれた結果、入札は延期になった。
もっとも、結局、入札は遅れながらも実施され、同年6月末、事前情報通り竹中工務店が受注した。そういう点では、バラ噛まれた怪文書の内容は正確だったわけだが、理事の目的、その手段がだからと正当化されるわけでないことは明らかだろう。
関係者が暴露する。
「問題の理事というのは井上努常務理事のことです。大林組の猪亦誠本店営業部長と組み、大林組に落札させようとしたんです。そのため、某同和団体のトップに入札妨害の依頼があり、我々はそのトップの指示で動いたんです。井上本人にも会いました。動機? もちろん、大林組から“仲介料”をせしめるためですわ」
冒頭に掲げたのは、その際、バラ撒かれた怪文書の一部である。

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