アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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ミサワホーム、産業再生機構活用報道の舞台裏

●奥田碩トヨタ自動車会長のリーク? 11月27日(土)、「読売新聞」朝刊一面に、上記写真のように、「ミサワホームの産業再生機構活用へ」との大見出しが踊った。 これだけみれば、すでに機構活用は既定路線のようにも思えるが、この日、全国紙朝刊で報じたのは「読売」だけという事実が、決して既定路線でないことを物語っている。実際、この報道を受けてミサワホームもUFJ銀行も、「そういう事実はない」と否定しているのだ。 ある全国紙記者が、こう明かす。 「この報道の根拠は、前日、奥田さんがある集まりの場で記者と立ち話した際、“ミサワホームは再生機構入りさせる”と漏らしたに過ぎない。それを、読売が、これは奥田、UFJ銀行,竹中大臣等が、そのように報道して欲しい、そして、その方向で流れをつくって既成事実化して欲しいのだと察し、報じたに過ぎない。こういう重要な発言を、三澤さんとの軋轢からいう奥田さんもひどいが、その“提灯持ち”をして、1面で報じる読売も読売。ですから、うちの記者も問題の発言の場にいましたが報じなかったですよ。はっきりいえば、あれば読売の先走り過ぎ、誤報といってもいい。 もちろん、奥田さんの狙いは、トヨタホームの売上げを伸ばすため、ミサワホームを傘下に治めたいが、ミサワ創業者の三澤千代治氏が徹底抗戦しており、直に買うのはマズイ。そこでで、再生機構を一回間に入れ、再生後、トヨタが引き受けるという方法で、トヨタが資本の論理で強引に買うというイメージを薄めようという狙いですよ」 ミサワホーム創業者の三澤千代治氏が、トヨタへのミサワホームの吸収に徹底して反対していることは、本紙で三澤氏の手紙を何度も紹介しており、ご存じの通り。 それにしても、トヨタ自動車だけでなく、経団連会長でもある人物が、自社の損得だけで、まだ正式に決まってもない再生機構活用の発言をしたのが本当だとすれば、経団連会長辞任ものの軽率発言といっていいのではないか。 実際、全国紙の報道を見ると、27日朝刊で報じたのは「読売」のみ。 夕刊で「朝日新聞」が後追いしているものの、「毎日新聞」は無視。「日経新聞」は再生機構活用もあるが、トヨタ主導、投資ファンド案と未だ3つの可能性があり得ると明確に報じている。 また、その動きに反発したミサワホームの関係者、販売協力店、工務店、OBたちが設立した「ミサワ会」=「三の会」が、27日午後3時から都内パレスホテルで、公認会計士等と共に記者会見。 「外資からも融資を受け、3000億円調達できるめどがついているから、再生機構活用は必要ない」と、ミサワファンド設立による再建スキームを明かした。 記者の間からは、「ミサワファンド活動の場合、再生後、三澤千代治氏が代表に返り咲くこともあり得るのか」と質問が飛んだ。 背後に三澤氏の影を察してのことだろうが、公認会計士は、「三澤氏からは白紙委任状をもらっている」とも明かした。 事、ここに至り、三澤氏はともかくトヨタ主導での再建だけは阻止したいと、白紙委任状提出を決断したようだ。 ●再生機構活用で、美味しいところだけ独り占めしたいトヨタ? それにしても、なぜ、再生機構なのか。 本紙は、三澤氏が関係者に11月23日付けで配ったとする新たな手紙を入手した。 そこには、奇しくも、トヨタが再生機構活用を画策しており、その狙いは「美味しいところ」取りと記されている。 これが事実なら、再生機構が問題企業を一時的(最大5年間)に買い取る資金は政府が保証しており、株式会社とはいえ、公的機関なのだから、まさにトヨタによる再生機構の私物化ということになる。…

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