筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。
先日(7月29日)の朝日新聞夕刊1面トップに面白い記事が載ってた。「UFO遭遇もしかしたら」「米政府『未確認飛行物体』報告書」という見出しで、米軍がUFOのことを真剣に考えてるというのだ。それはニュースでも見たけど、あれまと思ったのは自衛隊関係者のコメントなのだ。
これまで防衛省、自衛隊ではUFO目撃の公式見解はないことになっていたが、実は見た、同僚が見たという証言があったというのだ。米軍の報告を見て、言ってもいいかなと様子伺いしてるところがいかにも自衛隊だが、まあ日本にも結構出没してるってことだね。
こちとら残念ながら直接目撃したことはないが、UFOが登場する映画は沢山観た。昔は、UFOと呼ばず「空飛ぶ円盤」と呼んでいて、1956年につくられた『空飛ぶ円盤 地球を襲撃す』というB級映画があった。その同じ年に、新東宝で『空飛ぶ円盤 恐怖の襲撃』というパクリみたいな映画があって、小学生の時にテレビでも放映されたんだが、これが生まれて初めて映像で見るUFOだったと思う。
宇宙人(後々インベーダーとかエイリアンと呼ばれるが、昔は宇宙人とか火星人とか金星人だった)の地球侵略ものといえば、東宝特撮もののなかで『地球防衛軍』『宇宙大戦争』『怪獣大戦争』がおなじみで、空飛ぶ円盤がやってきて、宇宙人(ロボットタイプだったり、普通の日本人風が変な日本語をしゃべる)が警告を発し、地球側も最新兵器で退治するというのが基本パターンだった。そんで、このテのルーツというか原点はなんじゃいなと思い返してみたら…あれだ。H・G・ウェルズの名作『宇宙戦争』だろ。
これを最初に読んだのが子ども向けの世界冒険小説シリーズみたいなもので、地球を侵略する空飛ぶ円盤とか、タコみたいな宇宙人(宇宙人といえばなぜかタコ風が多かった)のおどろおどろしい挿絵がゾクゾクした。クライマックスは、地球の細菌にやられて滅びてしまうところが、なんだか予見めいている。