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熱海土石流――静岡県副知事が「違法盛り土原因」という前・現所有者の正体

これまで報道を控えていたが、静岡県熱海市伊豆地区で7月3日に発生した土石流(冒頭写真=「東京新聞」より)ではこれまでに死者11人、行方不明者17人(13日現在)を出しているが、13日、静岡県の難波喬司副知事は記者会見し、この大惨事は「違法な盛り土が原因」との見解を示したので、この盛り土の前・現所有者につき実名報道することにした。
この重大疑惑の盛り土の土地、そもそもは前所有会社が宅地開発を目的に購入し、2006年、熱海市に申し出て「盛り土」を行った。しかし、資金難から計画は頓挫。そして翌07年には熱海市に今度は「残土処理」の目的で申し出をしている。
そもそもこの盛り土、法令に違反して届け出と異なる工事が行われた。届け出では盛り土の高さは15Mとされたが、実際は最大50M以上もあった。また、排水管も設置されていなかったようだ。
その上、残土申請して以降、木くずやタイルなど違法な産業廃棄物が含まれた建設残土が捨てられた。
そこに、熱海観測史上最大の降雨があった。
このため、それでなくても盛り土は地盤が脆弱になるのに、木くずなどが土壌の隙間を作りさらに脆弱に。しかも、巨大な戻り土だったことから、土石流は途中の砂防ダムも役に立たず下の住宅地まで一挙に流れ、今回の大惨事になったと見られる。
この盛り土、2011年には現在の所有者に転売されている。
こうした経緯を見れば、もっとも責任があるのはこの前所有者だろう。
 ただし、この盛り土のすぐ横には太陽光発電所がある(横写真。黄色マーカー囲みが崩れた盛り土。左側のパネルが太陽光発電所)。これを建設したのは、この一帯の土地を所有する現在の盛り土所有者。
あくまで一般論ながら、太陽光発電所建設のために傾斜地の森林を伐採したことで、なおさらこの一帯の山の保水力が低下したとの見方もある。また、前所有者が盛り土を作ったとはいえ、現所有者である以上、違法または危ない状況を是正すべきだったとか、管理責任を問う声も出て当然ではないか。
そして、この前・現所有者(オーナー、元社長)につき調べて見ると、共に前科あり。しかも、以下に述べるが悪質な犯罪と来ている。
そうした事実をも思えば、この2人、順法精神に乏しいと思わざるを得ず、なおさら疑問に思わないわけにはいかないのだ。

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