筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。
話題の戦争映画『ミッドウェイ』を観てきた。「今までの戦争映画とは違う!」というので何が違うんだと、小学生の頃から戦争映画を観続けてきたこちとらとしては、どうせ大金かけたCG満載の大味なスペクタクルってところだろうと思ったら、まあその通りなんだけど、それでもなかなかうまく作られていた。一見の価値ありだ。
さて、ここからは『ミッドウェイ』のお話ではない。映画でも主役として登場する米軍の艦上爆撃機とか雷撃機で思い出したことがあったのだ。子どもの頃、少年雑誌でよく世界の謎とか未解決ミステリーとかいう特集で、歴史上の事件や事故にまつわる不可思議な話を、おどろおどろしい絵と子供向けノンフィクションてな感じでやってたんだよ。「私は宇宙人にさらわれた」とか「雪男に出会った」とか「日本にもいた!人食い大蛇」とか、その後の「ツチノコ」(変型ヘビで宙を飛ぶ)や「口裂け女」(都市うわさ伝説の代表例ね)につながる荒唐無稽なSF、怪奇物語が、目撃者のもっともらしい証言とかでハッタリかましているんだが、これが結構面白かった。
そんな話のなかで、米軍の雷撃機アベンジャー5機が訓練飛行中にバミューダ海域で消息不明という本当の事件が紹介され、これがUFOの仕業だとか、バミューダ海域(何かと水難事故が多発したとか)に棲む海の怪物にやられたとか、ワクワクさせる話が満載だったのだ。