アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(188回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(6月29日~7月3日)

■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週末の日経平均株価の終値は22,512円と、先週比+33円高(前稿比+184→ ▲559→ +1056円→ +1420円→ +351円→ ▲142円→ +560円→ +357円→ ▲635→ +398円→ +1679→ ▲1569→ +2845→ ▲878→ ▲3318→ ▲393円→ ▲2245→ ▲301)と、ほぼ横ばいだった。その後、金曜夜のNYダウは、新型コロナ肺炎の新規感染者数が、デイリーで過去最高となったことを嫌気してか大幅反落し、日経平均先物CFDも連れ安となり22,274円と、下がった。
先週のNYダウは、週間で-855ドル安(前稿比+265→ ▲1505ドル→ +172→ +918→ +780→ +354→ +607→ ▲51→ ▲457→ +524→ +2666→ ▲585→ +2463→ ▲4012→ ▲2679→ +456→ ▲358)の、25,016ドルで週を終えた。
さて、週末金曜日のNYダウは、6月20日のMSQに接近するほどの大商いで、大幅反落。加えて債券高での金利低下と分かりやすいリスクオフの動きとなった。これは米国の新型コロナ肺炎の新規感染者数が、毎日(※26日は45,255人となり3日連続最高)のように最高値に達してきたことが不安感の源泉となっているようだ。26日は11州で過去最多となっているようなので行方を見守りたい。
これまで新規感染者数の縮小とともに株価が上がってきたわけであり、感染者が増え続けた時にどうなるかは考えるまでもないはず。世界中の新規感染者数も最高水準を切り上げる動きとなっている。
さて、今週のストラテジーへ移りたい。NYダウは6月5日「雇用統計」で200日線を突破し、6月11日「FOMC」で200日線を割れた。これで、強い売りサインといわれるアイランドリバーサルが出現したわけだが、その後は一進一退。
しかし、先週末の6月26日(金)に25,016ドルで引けたことにより、6月11日に-1862ドルの急落となった引け値25,128ドルを下抜けた(※11日の最安値は25,083ドルだったがこれも下抜けした)。ようやく、一進一退だった株価推移が、明確に下方向に向かいだすシグナルが点灯した、と考えていいだろう。ちなみに75日線は23,873ドルであり、これは多少切りあがってくることを鑑みても、今週は24,000ドル割れラインまで調整するだろうか? このラインには出来高の多少の集中がみられるので、まずはこの辺りまで、と考えたい。
こうまで、筆者の相場見通しが弱気に傾くのも、今週はやむをえない。とにかく弱気材料に事欠かないのだ。(左横写真=NYダウ)
まず今週は、28日(月)~30日(水)に中国の国会である全人代の常務委員会があり、「国家安全法法案」が可決される可能性が激高だ。そしてこれに必ずや、トランプ大統領は強硬姿勢で反発するだろう。日本は中国に「遺憾」の意を表明するらしいが、米国の対応は異なる。
現在、トランプ大統領の再選確率は、完全なる赤信号。24日発表の全国世論調査でバイデン50%、トランプ36%の支持率だったが、これはどの媒体の調査でも似たり寄ったりで、ほぼトランプ大統領の再選が絶たれていることから、トランプ大統領としてはこれまで対中貿易での強硬姿勢で支持率を上げてきた以上、相当な制裁を課す可能性がある。そうなれば中国側の反発は必至で、これまでの貿易合意などの瓦解を示唆する可能性がある。またボルトン本の絡みがあることから、中国に対して過度に厳しい態度を示さなければならない事情もある。
日本に関しては、7月1日(水)に日銀短観が発表される。現在、大企業製造業DIのコンセンサスは-30と、3月の-8から大幅悪化となっているが、それよりも怖いのは先行きの見通し。現時点ではコンセンサスが-24であるが、IMFや世界銀行の予測通りの数字がでるのなら、さすがに市場は動揺を隠せないだろう。
また世界中の企業の6月期の中間決算が締まったことで、お化粧買いがなくなり無駄な買い支えは入りづらいとみている。
日経平均株価に関しては、前述したFOMCショックの6月15日終値は21,531円。翌日に+1051円と、大反発し戻った前日のラインが上記で、これを割り込むようなら明らかに市場に変調が起こっていることが明白。NYダウが弱含めば、必ずやそれ以上の反落をみせるのが我が日経平均株価だ。日経平均が下がるにあたっては、為替のドル円(右横はチャート)にも注目したい。106円を割れたら大ピンチだ。
そして、下げ目線で一番注目しているのが「マザーズ指数」。先週末の終値は1047ポイントで11週連続の上昇だったが、海外勢の週間売買動向(※テクニカルの項で後述)をみるに、1000P以上の局面では海外勢が売って個人が買っていることが示されていた。この現象は、これまでの相場を振り返って個人に勝ち目はない。また先週金曜日は、出来高を伴いながら、この市場だけ反落を開始していた。相場が崩れる時に一番弱く、かつ日米のすべての株価指数の中で一番上昇してしまったマザーズ指数であるがゆえに、下がるときのスピードはすさまじいものとなるだろう。今年の高値水準であり、出来高の集中帯である886Pあたりまでの調整は非常にありえそうだ。

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