アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

<主張>河井夫婦逮捕――検察は買収原資1・5億円と安倍事務所との関係徹底追及を!

 ついに河井克行前法相・河井案里参議院議員夫婦が6月18日、東京地検特捜部に公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕されたのはご存じの通り。 2人は逮捕直前の17日に自民党に離党届を提出。16日にその意向を聞いた安倍首相は首相官邸で記者団に「国会議員は与党であろうと、野党であろうと、かけられた疑惑にしっかりと説明責任を果たしていく責任を負っている」と他人のように語ったが、よくいうよである。 河井夫婦が買収に問われているのは2019年7月の参議院選挙(広島選挙区。改選数2)においてだが、同選挙区からは以前から溝手顕正元防災担当相(=下右写真の右端人物。元国家公安委員長。当選5回。岸田派)が出馬しており、19年の選挙でもすでに出馬表明、自民党広島県連も溝手氏を推すことを決めていた。それにも拘わらず、わざわざ河井案里容疑者まで出馬させ自民党で2議席独占を狙ったのは、憲法改正を狙う安倍首相が「改憲勢力3分の2」維持のためにやったとの見方もあるが、実際にこの参議院選挙で「独占」出馬をやったのは広島選挙区だけであり、真相は、以前から安倍首相を批判していた溝手氏を安倍首相が嫌い、溝手氏に河井案里容疑者という“刺客”を放ち、その狙い通り落選させたというのが関係者の一致した見方だ。 しかし、広島県連はこの官邸側の私欲、ごり押しに抵抗した。それを切り崩すにはカネの力が一番で、そのために自民党本部から相場の10倍もの1億5000万円の選挙資金が河井夫婦側に出たと見られる。  だからこそ、すでに5月12日には、検事総長宛てに河井夫婦と共に、安倍首相も被告発人とする「告発状」が出されている(以下に全文転載)。告発容疑は公選法違反(買収)の共謀。 前述のように、河井容疑者の出馬の真の目的な溝手氏落選のためで、そのために安倍首相は異例の高額の1・5億円を自民党本部から出させたからという内容。 河井夫婦逮捕報道を報じる「毎日」(6月19日)も、1億5000万円を出したことが直ちに違法とはならないが、「買収行為をさせる目的で現金などを提供すれば罪に問われるケースもある。特捜部は、どのような経緯で資金が夫婦側に支出されたかについても調べる」と報じている。 しかも、この19年の参議委選挙では、安倍首相の地元であるお隣・山口県下関市から地元の筆頭秘書・配川博之氏ら4人が案里容疑者の応援にかけつけ、案理氏の秘書らと一緒に地元の有力者を回っていたとの証言もある。(横左写真=本紙・山岡の今年5月23日のツイッターより) それどころか、本紙既報のように、1・5億円の一部を安倍事務所の秘書2人が持ち帰ったとの証言が、すでに広島地検が買収されたと見た多くの地元首長、議員らの事情聴取をした調書のなかに載せられているとの情報もある。 また、これら調書のなかには、同じく案里氏の選挙運動を手伝った創価学会側に2000万円が使われた旨の供述も載っているとされる。そして、本紙既報後、「それは事実だと、私も聞いています。だから、お宅の記事を宣伝しています」とわざわざ話してくれたベテランの永田町関係者もいた。 二階俊博自民党幹事長は疑惑の1億5000万円につき「広報誌を複数回全県に配布した費用に充てられたというふうに報告を受けている。買収に使うことはできないのは当然のことだ」(6月17日)と火消しに必死だが、繰り返すが、今回の河井夫婦の買収事件は、安倍首相がいうように「しっかりと説明責任を果たし」たら、自らもヘタをすれば政治生命を失いかけない重大疑惑なのだ。 検察は、政府・与党が検察庁法改正案につき「特例規定」(賭け麻雀で辞任した黒川弘務前検事長を検事総長にするために後付けで設けようとした、検察捜査に政治介入を許す規定)を撤回する方針を固めた(河井夫婦逮捕前日の17日)からといって妥協することなく、徹底して捜査していただきたい。そうでなければ、河井夫婦逮捕はまさにトカゲのしっぽ切りで、検察の威信は回復できるわけもない。 *なお、1・5億円一部の安倍事務所側還流疑惑(告発容疑は横領罪)、それに黒川前検事長のワイロ疑惑(収賄)に関しては、告発人が突如体調不良で入院となり遅れているが、方針に変わりなく近く追加で告発予定。告発次第、本紙でも報告する。    …

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