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<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第21回「少年マンガが大人化した70年代」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

マンガ家のジョージ秋山が5月12日に亡くなっていたことがわかった(享年77)。
中学生~高校生の頃の漫画体験でジョージ秋山の作品『ガイコツくん』『パットマンX』『デロリンマン』『銭ゲバ』『アシュラ』は忘れられない。70年代以降は、『浮浪雲』『ピンクのカーテン』が大ヒットして、テレビドラマ化、映画化もされたが、衝撃だったのが『銭ゲバ』(少年サンデー)と『アシュラ』(少年マガジン)だ。
ともに1970年で、少年マンガ雑誌が急速に大人化して、高校生や大学生も夢中になって読んでた時期だね。そもそも少年漫画の主人公というのは、大体、清く正しい正義のヒーローだったのに、これはもう悪のかたまりで、感情移入を拒絶する、何とも恐ろしいキャラクターだった。『アシュラ』にいたっては、戦乱の世を本能の赴くまま生きる凄まじい子どもで、PTAあたりから大バッシングで、とうとう『少年マガジン』が「有害図書」指定をされてしまったのだ。
今から振り返って驚くのは、初期の『ガイコツくん』や『パットマンX』が、同じ作者とは思えないような、ほのぼのギャグマンガだったことだよ。このジャンルでいうと、赤塚不二夫の『おそ松くん』、藤子不二雄の『おばけのQ太郎』、もりたけんじの『丸出ダメ夫』、やまねあかおにの『よたろうくん』、板井れんたろうの『ポテト大将』、石ノ森章太郎の『となりのたまげたくん』なんてのが思い浮かぶ。特に1960年代は、おっちょこちょいでひょーきんでC調な主人公のギャグ漫画が沢山あった。今に続く『ドラえもん』ののび太も、その系譜だ。
少年マンガ誌の基本というのは、メインにスーパーヒーロー(『月光仮面』『鉄腕アトム』とかね)、忍者(『伊賀の影丸』『ワタリ』とかね)、戦闘機パイロット(『紫電改のタカ』『ゼロ戦はやと』とかね)、スポーツ選手(特に投手。『ちかいの魔球』『巨人の星』とかね)、そしてほのぼのギャグ関係が、基本メニューだったのだ。それが1960年代後半あたりから変わり始めるのだ。

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