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<*新連載* 漢方専門家・平地治美の健康の勧め>「第8回 真夏の汗対策(止め方・止めるツボ)」

筆者・平地治美(薬剤師。鍼灸師)。漢方の良さを伝えるため、日々の臨床では治療だけではなく自然治癒力を高めるための“養生”の指導に特に力を入れ、一般の人たちへの健康指導を積極的に行う。朝日カルチャーセンター新宿、津田沼カルチャーセンター等で「女性のための漢方レッスン」「舌診入門」「季節の過ごし方と食養生」などの漢方関連の講座を担当。和光治療院・漢方薬局(千葉市若葉区TEL043-232-6258)で治療。千葉大学医学部医学院和漢診療学講座非常勤講師。京都大学伝統医療文化研究班員。日本伝統鍼灸学会理事。漢方三考塾講師。著書に『げきポカ』(ダイヤモンド社)、『舌を見る、動かす、食べるで健康になる』(日貿出版)。「平地治美の漢方ブログ」発信中。

 真夏には汗がダラダラ。多汗症の方なら尚更です。
手のひら、脇、顔、足の裏などから多く出るようですが、そのなかでも一番厄介なのは顔にかく汗でしょう。
他の場所なら他人にバレずに済むことも多いですが、顔の汗はどうしても隠すことができません。特に仕事の最中にかく顔の汗は、相手とのコミュニケーションに支障をきたす場合もあります。
そこで、「圧反射現象」(「半側発汗」とも呼ばれる)という体の反応があるのをご存知でしょうか。
汗の研究、体温調節研究の世界的権威であり、鍼灸の研究にも力を入れ全日本鍼灸学会の初代会長にもなられた生理学者・高木健太郎先生により発見された体の反応です。
押されている側の発汗が反射的に抑制され、その反対側が代償的に発汗が増えるという体の反応のことです。この皮膚圧反射は圧迫した周辺だけでなく、身体の半身という広い範囲が単位となります。
上下で見ると、上半身を締め付ければ、上半身の皮膚温は下がり発汗が抑制されるとともに、下半身の皮膚温が上がり発汗が増加します。逆に下半身を締め付ければ、下半身の皮膚温は下がり発汗が抑制されるとともに、上半身の皮膚温が上がり発汗が増加します。
一方、左右で見ると、右側を下にして寝ると下側は発汗が抑制され、上側(左側)は発汗が増します。


 女性はブラジャーをすることにより、上半身の皮膚温を下げ、発汗を抑制します。そして下半身の皮膚温が上がり、発汗が増加します。
一方、男性はブラジャーはしない代わりにベルトをしますから、女性に比べて下半身の皮膚温が下がり、逆に上半身が発汗しやすくなります。
舞妓の高帯(上写真)というのはこの半側発汗反射を利用し、顔の発汗を抑え化粧崩れを防いでいるのです。この時、舞妓さんは顔の汗を抑える代わりに、下半身の発汗は増加しているはずです。そして帯を外したとたん顔から汗が噴出すということもあるそうです。
この反射は、帯ではなくヒモのようなものでも代用できます。 
すでに汗止めベルト(横写真)なるものが発売されています。
次に、ヒモやベルトを巻くことができない時に押すと有効な「上半身の汗を止めるツボ」を紹介しましょう。
*屋翳(おくえい)
屋翳は、乳首の3cmから5cm(指2・3本分)ほど上、第2肋間にあるツボです(だいたいの位置でOKです)。
顔の汗を止めたい時、ゆっくり息を吐きながら押さえてみましょう。1から3分続けてみてください。
* 大包(だいほう)
大包は、ワキの真ん中から下あたりにあるツボです。
ここも汗止めにはかなり効果があります。
腕を組むようにして両腕を交差させてそのまま中指と人差指でワキの下を押します。
さらに、その時に親指が余るので、その親指で上記で説明した屋翳も一緒に押すと効果倍増です。

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