衆院法務委員会で審議入りした共謀罪(組織犯罪処罰法改正案)だが、25日の参考人質疑で漫画家の小林よしのり氏が「モノを言う市民が萎縮してしまう」との意見を述べるなど、イデオロギーの左右を問わない立場から反対意見が上がっている。 こうしたなか本日26日正午から、衆院第一議員会館で「おざなり審議で悪法を創るな!」と銘打った院内集会が開かれた。民進党など野党議員、刑法学が専門の大学教員、森友問題を追及する市民団体、フリージャーナリストなどが集まり、同法案の廃案を求めた。 足立昌勝氏(関東学院大学名誉教授)「対象犯罪に著作権侵害が含まれているが、例えばピアノ教室で楽譜をコピーしたり、インターネットから楽曲をダウンロードする行為も著作権侵害に当たる。すると、そうした人たちにも共謀罪が適用されることになる。これのどこがテロ対策なのだろうか」と訴えた。 村井敏邦氏(一橋大学名誉教授)「行為の前に処罰する、ということは内面の自由の侵害だ。映画『マイノリティ・レポート』のような社会であり、あの映画は共謀罪のなれの果てと言える」。 亀田博氏(作家)「大正時代の大逆事件では、“天皇の暗殺計画”がでっち上げられて、幸徳秋水など社会主義者が死刑に処せられた。共謀罪ができてしまうと、再びでっちあげの弾圧が強まるのはないか」 またある市民は「沖縄で基地反対の座り込みが“組織的威力業務妨害”と判断されれば、共謀罪の対象になる。一方で公職選挙法、政治資金規正法など政治家を規制する法律は対象に入ってない。誰のための、何のための法律か明らかだ」。 集会を呼びかけた「共謀罪創設に反対する百人委員会」は、「与党側は5月中旬の採決をもくろんでいる。市民、野党議員、アカデミズム、ジャーナリズムが力を合わせて、廃案にしよう」と呼びかけ、集会を終えた。…