アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<*新連載* 漢方専門家・平地治美の健康の勧め>「第15回 お屠蘇の由来と作り方」

筆者・平地治美(薬剤師。鍼灸師)。漢方の良さを伝えるため、日々の臨床では治療だけではなく自然治癒力を高めるための“養生”の指導に特に力を入れ、一般の人たちへの健康指導を積極的に行う。朝日カルチャーセンター新宿、津田沼カルチャーセンター等で「女性のための漢方レッスン」「舌診入門」「季節の過ごし方と食養生」などの漢方関連の講座を担当。和光治療院・漢方薬局(千葉市若葉区TEL043-232-6258)で治療。千葉大学医学部医学院和漢診療学講座非常勤講師。京都大学伝統医療文化研究班員。日本伝統鍼灸学会理事。漢方三考塾講師。著書に『げきポカ』(ダイヤモンド社)、『舌を見る、動かす、食べるで健康になる』(日貿出版)。「平地治美の漢方ブログ」発信中。

 宝酒造が行った「お屠蘇に関する意識調査」によると、「お屠蘇を飲む慣習の由来や意味を知っている人はわずか2割」という結果だそうです。この数字は若い世代になるともっと低くなると予想されます(以前に教えていた専門学校で質問したところ、お屠蘇という言葉を知っていたのは14、5名中たった一人だけでした)。
今、お正月にお屠蘇を飲むという家はほとんどないのかもしれません。
伝統が廃れつつあるのはちょっと寂しいですね……。
私自身もお屠蘇という言葉だけは知っていたものの、正しい意味は知らず、「お正月に飲むお酒のこと」と思っていました。
このお屠蘇、もともとは漢方処方だったのだと知ったのは漢方を勉強し始めてからです。
「屠蘇散」はもともと三国時代の名医、華佗(かだ)の処方で「千金方(せんきんほう)という漢方の医学書にも記載されています。
屠蘇は「蘇」という悪鬼を屠(ほふ)るという意味です。
これを元旦に飲むことにより疫病に罹らないための予防と治療を兼ねたものでした。
本来の処方には烏頭、大黄が入った作用の強い生薬が配合されていました。
烏頭は殺人事件にも使われたトリカブトの根ですし、大黄は便や滞った血を下す生薬ですから、飲みすぎると危険なのです。

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