■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。
≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週金曜日の日経平均株価の終値は23,294円と、先週比+181円高(前稿▲190円⇒ ▲89円→ +541円→ +51円→ +307円→ +694円→ +389円→ ▲469円→ ▲200円→ +91円→ +788円→ +496円→ ▲7円→ +292円→ ▲266円→ ▲419円→ ▲517円)となった。日経平均CFDは23,323円(※土曜時点)と、だいぶ土曜日に値を消したものの小幅高で引けた。先週のNYダウは、週間で+175ドル(※前稿では▲129⇒ ▲324ドル⇒ +334ドル)。
今週は、円安基調だったにもかかわらず日経平均が上がっていない事実に、頭を悩ませる週となる(※テクニカルの項、ドル建て日経平均に後述)。ドル円はすでに109.5円の円安になっていることもあり、ここからのさらなる円安は望みづらく、さすがに日経平均の上昇も止まる、と考えておいたほうが賢そうだ。
米国に目をやってもS&PのPERは19.12倍に達している。直近のPERの上限は、2018年1月26日に19.25倍だったことを考えると、天井圏だと考えておいたほうが無難だ。ナスダックなどは、すでに23.17倍と、直近で最高値を更新し続けているが、S&Pに勝る指標はない。
ただ、週末の土曜日に発表された中国11月盛製造業景況感指数PMIは、50.2と(※コンセンサス49.5)先月の49.3から上昇し、非製造業PMIは、54.4(※コンセンサス53.1)と、こちらも先月の52.8から改善した。これを好感して週明けは景気回復モードが充満し、強含みそうだ。また今週の景気指標に関しては、今週のイベントの項で後述するが、強い数字を好感する可能性がある。ただ、強い指標に株価が反応しなければ、それはデッドサインとなるだろう。
海外勢の買い越しも7週連続とあっては、そろそろ一服すると考えるのが自然であるし、頼みの綱であった、裁定売り残の残高も、一気に減ったあと減少幅が小さくなり、燃料切れの様相を呈している。ようするにここから買いのけん引役が不在とあっては、ひとたび何らかショックが引き起こされれば、雪崩が起きやすい状況だとみる。VIX指数の建玉も、現在も21万8362枚と過去最高を更新し続けている。ひとたび何か悪材料がでると、VIXは連鎖して暴落を引き起こすので注意したい。
そんななか、注目できるのがマザーズ指数。先週は本稿の読み通りとなったことで、お役に立てたのではないかと自負している。基本的には12月13日のSQまでは、このまま上に向かう動きは止まらないとみて、今週も注目したい。
リスクとしては、米国議会で可決した「香港人権法案」に対しての中国側の反応だろう。直近は、米中貿易協議の進展報道が減ってきており、そのこと自体が予断を許さない状況だと考えたい。中国の景況感も自立反発ムードであり、12月15日の対中追加関税第4弾が迫ってきていることもあり、今週は動きがでそうだ。
とにかく、日本時間の場中では雰囲気は計りづらいところがあるので、米国市場をみて、危ない雰囲気がでてきたと感じたら、すぐに逃げられるように準備を怠らないようにし今週は臨みたい。日経平均23,000割れは無条件で撤退サインとなることも付け加えておきたい。