アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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検証「田中元総理隠し撮りカメラマンに聞く――なぜ、法廷内撮影は許されないのか」(上)

筆者・村田智子(東京都出身。メディア・リテラシーに興味があり、PARC自由学校の「オルタナティブ・メデイアをつくる!」クラスを受講。そのクラスの課題でこの掲載記事を書く。今後も機会があれば、さまざまなジャンルの記事を書いてみたい)

 現在は、どんなに世間の注目を集める裁判でも、テレビや新聞などで法廷内の被告人の姿を見ることはできない。目にするのはいつもイラストであるが、ごくたまに例外がある。それは法廷内で密かに撮影された隠し撮り写真である。
1999年に『フォーカス』(新潮社・休刊)が和歌山カレー事件の林真須美被告の隠し撮りした写真1点を掲載後、同被告から肖像権侵害で訴えられると、次は法廷内イラストを3点掲載し、これに対しても提訴されたことは記憶に新しいのではないかと思う。
この事件で2005年11月10日に最高裁は、写真1点とイラスト1点(どちらも手錠と腰縄つきの姿)を肖像権侵害と認め、残りのイラスト2点については侵害は認められないとして審理を大阪高裁に差し戻した。
また、提訴はされなかったが、オウム真理教の教祖だった麻原彰晃(松本智津夫)被告の初公判での隠し撮り写真を『フライデー』(講談社)や『週刊ポスト』(小学館)が掲載したこともあった(どちらも1996年)。
他にも法廷内で隠し撮りされた写真はロッキード事件の故田中角栄元総理(1982年と83年に『フォーカス』に掲載)などいくつかある。
田中元総理を隠し撮りしたカメラマンの福田文昭氏(写真)に会い、その思いを聞いてみた。
「マスコミの中のいちカメラマンとしてロッキード裁判に関心があったし、伝えたいという気持ちがすごく強かった。自分の責任で報道したかったから、隠し撮りでも何でもやって伝えたかった」

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