本紙は今年11月から12月にかけ、外資ファンド「サーベラス」(本社・米国)の日本における疑惑(「毎日新聞」が2006年1月に報じた東京・南青山の地上げを巡る暴力団関係者への利益供与に関する件)を米国本土に伝えようと動いたところ、圧力としか思えないさまざまな出来事が周辺で起きたとする米国人女性の手記を2度に渡って報じた。
実は彼女にも取材し、この件を米国において唯一、報じた新聞社があった。
カリフォルニア州サンタモニカに本社を置く「サンタモニカ・デイリー・プレス」がそれ。掲載日は今年10月14日(冒頭写真は掲載紙一面と該当記事部分)。
すると、11月13日付で、同新聞社の日系人社長、ロス・フルカワ氏宛てに、サーベラス・キャピタル・マネージメントとステファン・ファインバーグ氏の代理人弁護士から、日本における内容証明付きの以下のような趣旨の「警告書」が届いたという(横写真。その「警告書」入り郵便を掲げるフルカワ氏)。
「本件記事は、サーベラス及びサーベラスが犯組織と関与している疑いがあるということに関する根拠ないスキャンダラスで名誉を毀損する記述に満ちています。サーベラスはこれを黙認するつもりはありません。直ちに本件記事を削除しない場合、訴訟提起することを警告します」
これに対し、フルカワ氏は“言論弾圧”だとして、徹底抗戦するとしている(まだ訴状はフルカワ氏側には届いていない)。
以下、その問題とされる記事の邦訳文。