■プロフィール 投資歴17年、出版社勤務の兼業投資家。資産は2015年に一時1億円越えとなるも現在は横ばい近辺で推移。投資に必要なのは1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。
※今週は注目銘柄2銘柄掲載!
≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
祝!日経2万円乗せ!!
先週、木曜日に出来高を伴って日経平均が急伸したため、高確率で「金曜日、日経は上がる!」と強気でみていたが、それにしても一気の2万円越え(6月2日終値20,177円)はうれしい誤算だ。先週、「移動平均線がかなり煮詰まってきて、どちらかの方向に動き出しそうな形にみえる」と書いたが、みごと上放れた結果となり、これでブル相場入りしたということだろう。
日経平均のEPSは、6月2日に1,402円にまで上昇しており、フェアバリューをPER14.9倍とみると20,890円。ちなみに直近の高値は2015年6月24日に到達した20,868円(高値20,953)円となっている。ひとたび日本を買いだした海外勢は、少なくてもこの数字をタッチしにいかねばリカクもできないことから、頑張ってくれるものと思う。
また残念な誤算は、為替。先週金曜日の午後21:30に発表された「米国雇用統計」と、「4月貿易収支」(476億ドルの赤字)が失望され、円高ドル安が止まらない。しかし、この貿易収支をみると、トランプ就任後も赤字が拡大しており「強いアメリカを取り戻す!」という名目で、今後も中国と日本とドイツ(ユーロ)の通貨を攻撃してくることは間違いなさそう。ただ、2017年の本決算を終えた日本企業の想定為替レートは109円台の前半となっているので、ドル円は110円に接近しなければ、動揺することなく『日本買い』は続くとみており、今週は順調に底を切り上げていく週となるだろう。
懸念点は、8日(木)深夜から行われる予定の、「コミー前FBI長官の公聴会」か。ただ、トランプ大統領は大統領行政特権により、これを拒否する可能性が出てきている。大統領や閣僚は、議会や裁判所に対して自らが交わした会話などを機密とすることが認められている、とのこと。そんなことをすれば、捜査中止の強い司法妨害をしたことを認めることになるが…どうなるか。すでにこの件では、トランプ大統領弾劾!とメディアは騒いでいるが、筆者としては臨むところであるし、株式市場も充分織り込んでおり、それほど大きな波乱にはならないとみている。とにかくこの問題は時間だけはかかるので、ここでどうこう言う問題でもないだろう。内容に関しては、FBIからのリーク情報が出回っている。
また、週末の日本「メジャーSQ」に関しても、先週末、手も足もでなかったので、今回はSQ前の波乱(火曜・水曜に多い)は起こりづらいとみているがいかに!? 波乱があるとすれば英国総選挙のほう。与党保守党の圧勝予測がここにきて不透明になってきているというが、過半数の議席を確保すればいいだけの戦い。仮に過半数割れがあったとしてもブレグジットの時ほどの波乱は呼ばない。というか、あまり日本に影響はない…。そもそも英国の調査報道機関は信頼できないので、普通に保守党が3分の2の議席獲得になる可能性も高い。今週は、仮に日経がヨコヨコとなっても、個別株物色は盛んな相場付きで、マザーズ銘柄の出番も期待できる強い週だと考えている。