元産経新聞記者で、現在、弁護士の著者による、日本のマスメディアが、いかに他の先進国に比べて権力側の直接、間接による規制でかんじがらめにされているか実態を紹介した解説本。
したがって、サブタイトルは「権力に縛られたメディアのシステムを俯瞰する」となっている。
その一つが、「電通」など(横の図は同書より)の広告代理店を通じての規制。他の国では、例えばトヨタと日産自動車の広告を同じ広告代理店は取れない(一業種一社制)。利益相反行為になるからだが、わが国では異常なことにそれが許されている。結果、電通のような巨大広告代理店が出現できたわけだ。
それでもわが国にはまだこうした規制の少ない週刊誌を始めとする雑誌ジャーナリズム、本紙のようなインターネットを活用した媒体もある。
ところが、それをも規制しようといま政府は検討しており、それに対する警告をするため緊急出版したと著者は言う。