アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<本紙VS脱税請負疑惑グループ判決検証>第1回「租税回避の中でも、国税によって否認され得るものは『脱税』の表現でOK」

  本紙既報のように、11月7日、東京高裁で、本紙が全国のパチンコチェーンにSスキームなる手法を持って「脱税指南」していると朴氏(公認会計士。元税理士)ら(冒頭写真=入居ビル)について実名報道したところ、名誉毀損だとして提訴されていた件の判決があり、本紙側が逆転全面勝訴した(*掲載禁止の仮処分が解け、復活した記事はココをクリックすれば見れます)。
この判決の持つ意味は大きい。
1つは「脱税」という表現が、報道においてどこまで許容されるかという点で、新たな判例を作ったと思われるからだ。
もう1つは、Sスキームはある税法改正を逆手に取った巧妙かつ悪質な課税逃れの手法だと断罪しているからだ。さらにいえば、法の盲点を突いた「脱税指南」全体に歯止めを掛ける効果も期待できるだろう。
この連載1回目は、まず今回の控訴審判決が「脱税」をどう解釈したかお伝えする。
朴氏らは「脱税」とは、故意に税務申告しなかったり、過少申告するなどして、刑事罰の対象にもなり得る専門用語では「租税ほ脱行為」といわれるものに限られると主張した。
これに対し、本紙は、相手は税の専門家なのだからそんなモロな「脱税」をするわけがなく、Sスキームとは、いわば法の抜け穴を利用し、顧客に対しては「節税」と称して、その実、巧妙かつ悪質な課税逃れを指南しているわけで、それは専門用語的には、通常用いられない法形式を用いて租税負担を免れる「租税回避行為」に入るが、この場合も、一般の読者に「租税回避行為」といっても何のことかわからないから、「脱税」と表現するのは許されるし、実際、週刊誌などの報道でもそうした実例が見られると主張した。
しかし、一審判決は、何ら検討することなく、「脱税」=「租税ほ脱行為」と決め付け、実質、記事の中身には踏み込まず、本紙側を敗訴とした。

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