特別養護老人ホーム(特養)といえば、介護が必要な高齢者のお世話をする施設で、非営利の社会福祉法人が経営している。公的施設といってよく、入居者の経済状態にもよるが概して月々の入居料も安いため大人気。施設建設に当たり巨額の補助金なども出ており、その分、監査も厳しいはずで、玉石混淆といっていい民間有料老人ホームと違い、その運営は総じて真面目と思われている。
ところが、その特養でまともに介護が行われておらず、ちょっとした病気でも提携先病院に送られ、送られたらまず最期、患者の飲み込み(嚥下)機能に少しでも障害があると食事をさせず点滴だけにするため、一挙に食事ができない→「胃ろう」造設され(冒頭写真は「胃ろう」の図と患者)、そうなると2度と特養には戻れず、ほとんどの入居者が3カ月以内(これ以上入院させると保険点数が下がり、病院に旨味がない)に亡くなるところがあると、本紙に遺族から告発があった。(横写真=延命処置としての「胃ろう」の在り方に一石を投じた名著)
「父(享年88)は、私が強く反対したので胃ろうの処置はされませんでした。ですが、やはり点滴のみにされ、なぜか特養には空きがないと再入居を拒否され(「重要事項説明書」では3カ月内なら戻れることになっているが)、父は一挙に衰弱し、半ば餓死のような状態で約2カ月後に亡くなりました。
そこの病院には、その特養の入居者がいまも10名近く入れられています。“命の危険”があるので行政に訴えました。ですが取り合ってくれません。 それで、緊急性を要するためマスコミに訴えることにしたんです」(Mさん)