アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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「重慶大爆撃」裁判――被害者の声を聞く

今年3月9日、東京大空襲の遺族たちが、国に謝罪と賠償を求めて提訴(東京大空襲裁判)したのを覚えているだろうか。
実はこの裁判の約1年前、2006年3月30日に、旧日本軍による重慶大爆撃の被害者や遺族もまた、日本国を相手取って謝罪と賠償を求める裁判(以下、重慶大爆撃訴訟)を起こしていたのだ。

去る9月10日、東京地裁で重慶大爆撃訴訟・第4回口頭弁論(土屋公献弁護士など4人が弁論)が開かれ、その後にはすぐ横の弁護士会館で報告会が開かれた(写真)ので、取材した。
先にこれまでの経緯を簡単にまとめよう。

「重慶大爆撃」訴訟の概要

 日中戦争時、陥落した南京に代わって新しい首都になった重慶に対し、日本軍が5年半にも及ぶ空爆を行った。この空爆(四川省の他の地域を含む)による死傷者総数は、10万人を超えると言われる。この重慶大爆撃訴訟の原告は、重慶市の被害者が34名、四川省楽山市の爆撃被害者が5名、さらに四川省自貢市の爆撃被害者が1名の計40名(原告団の正式名称は、「重慶大爆撃被害者民間対日賠償請求原告団」)。
原告はいずれも高齢で、「自分が生きているうちにどうしても大切な人生を破壊した日本の政府と国民に、爆撃被害者に対する責任を認めさせたい」と願っているという。
訴状には爆撃被害の様子が写真入りで掲載されているが、それを見ると非武装の一般市民が老若男女問わず、無差別に被害にあっているのがわかる。戦争末期に日本も主要都市が米軍に空襲されたが、まったく同じ様子だ。

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