アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<新連載>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』(第4回)「松方弘樹は不滅です」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

 先日、話題の『十三人の刺客』を観た。1963年に公開された同名作品(東映、工藤栄一監督)のリメークで、昔のは1975年頃に名画座で出合い、以降ビデオも含めて4回観ている。集団時代劇といわれるリアリズム重視の集団切り合いの迫力は、モノクロ画面と、殺陣の見事さで今なお色褪せてない。
それに挑んだ三池崇史監督は、大変な重圧だったと思う。出来は、不満もあるけど、焼肉バイキングのようで楽しめた力作だった。
 さて今回の話題は、『十三人の刺客』の13人のなかで最年長の役回りとなった松方弘樹である。1942年生まれで、もうすぐ70歳、あれだけの大殺陣=集団乱戦をこなすには、さすがに息切れもしようが、なによりこの年でこの貫禄、キャリアともなれば、もっと静かな存在感だけで見せる役を望むのかと思った。それが、斬った張ったで血みどろで息絶えるまで、もう37年も前の『仁義なき戦い』の頃ののりとほとんど変わらない。そこで思いました。あの時代=1970年代のバイオレンス・アクション、あるいはもっと前の、時代劇黄金時代からの、現場感覚を知り、現場感覚で動け、伝統の様式美も含めて、現役でやれるのは、もう松方弘樹だけではないのかって。

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