アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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県警が“作った事件”を県がフォローかーー埼玉県の「翌檜会」への業務停止命令の不可解

 埼玉県(上田清司知事=冒頭右写真)は3月24日、社会福祉法人「翌檜会」(鴻巣市。小嶋俊郎理事長)に対し、運営する知的障害者更正施設「啓明学園」について、新規入所を1年間停止することを命じた。
同会を巡っては、寄付金の一部を着服したとして、約3年半前、元理事長に対し業務上横領罪で有罪判決が出ている。
県はこの事件後、同会に対し、不明になった1億7000万円の寄付金の使途の調査、内6000万円を元理事長が使ったとしてその回収などを同会に命じた。だが、同会はそれら命令に対しキチンと対応しなかったため、今回の業務停止命令を出したとしている。
この言い分だけ聞けば、同会に非はあり、今回の処分は当然と思われるかも知れない。さらに、元理事長がいまも裏で同会を牛耳っていると勘ぐる読者もいるかも知れない。
 だが、事情はかなり異なる。
同会によれば、1億7000万円の使途を解明するためにはその当時の預金通帳の記録入手が必要不可欠だが、同会はそれを入手できず、一方、県はそれを手元に持っているという。それから、元理事長に対し同会は6000万円返還の民事訴訟を提起している。
それにも拘わらず、実はすでに県は昨年11月、同会役員全員に対し同理由で解職を勧告。結果、役員は一掃された。さらに今回の業務停止命令と“二重に処罰”して来たという。
今回の業務停止命令に先立ち、同会はそれを不服として仮の差止命令申立と本訴の差止訴訟を提起(冒頭左写真はその訴状)している。だが、県は仮差止の判断もでないまま今回の命令を出している。
何が何でも、同会を潰してしまおうと考えているようにも思える。
そして、その背後には、埼玉県警が手掛けた同会を舞台にした“作られた事件”があり、県も一緒になって、同会を潰すことで“口封じ”しようとしているフシさえ窺えるのだ。

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