一般投資家が証券会社に口座開設するとき、多くの証券会社は過去5年間の信用照会をする。その5年間に反社会勢力に属していた、あるいは犯罪歴など何らかの問題があれば口座開設は認められない。
一方、証券会社職員についても、同じく過去5年間に何らかの問題を起こしていればやはり口座開設できない。
しかも、証券会社職員の場合、自身が問題の張本人ではなくても、例えば当時所属していた会社が不祥事を起こし、自分がたまたま取締役として在籍していたというだけでも口座開設を拒否されたケースもある。一般投資家以上に、厳しいのだ。
さらに証券会社職員の場合は、在職中に問題を起こした場合、当然、最低でも自主退社となるが、その場合も同じく5年間は他の証券会社が雇わないことになっている。
これらはあくまで証券業界の自主ルールによるもので、法的強制力はない。とはいえ、巨額の金銭を扱い、問題が起きれば瞬時に巨額の損失が出る鉄火場の業界だ。当然のことだろう。
ところが、つい最近、問題を起こして自主退社を余儀なくされた証券マンを、ある証券会社は自主規制を破って雇ったものだから、業界内でどうして? と話題を呼んでいる。