アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<主張>八百長の根深さを物語る、変死した元大鳴戸親方著『八百長』(鹿砦社)

1996年4月に発売になった、その書名もズバリ『八百長』(鹿砦社。冒頭写真)という本を中古で購入し、読んだ。
むろん、今回の大相撲の八百長問題に触発されてのことだ。
当時、『噂の真相』で紹介するということで、そのゲラを代理で受け取りにいった記憶が本紙・山岡はあり、この本の存在は当時から知っていたが、キチンと読んだのは今回が始めて。読んでみて、ここに書かれていたことは基本的に真実だろうと直感した。
タイトルだけ見ると、借金整理のために年寄り株を手放した著者が私憤から針小棒大に書いているようにも思える。だが、何といっても著者は関脇までなった元高鉄山(元大鳴戸親方=下写真。本書より)で、彼は八百長の中盆(仲介)をしていた立場にあったのだ。本書に目を通すと、自分の身分を晒し、無いことを、実名でこれだけ詳細に書けるものでないことはすぐわかる。また、大相撲への愛情も行間から伝わってくる。
放駒理事長は今回の携帯メールで動かぬ証拠が見つかった件につき、未だ八百長とは認めていないものの、徹底調査をするとして、前代未聞の興行無期限停止とした。
だが、本書に目を通せば、八百長は大相撲の“伝統”であり、それを無くすことはまず不可能で、大相撲の存在自体を否定しかねないことに気づくはずだ。
また、本紙は以前、横綱でありながらその実力がないため毎場所15取組のうち実に10勝を買っていたという横綱に関する後援会関係者の証言を取り上げているが、本書ではそれとまったく同じ内容が載っている。
歳を取って実力が落ちた横綱が延命のために星を買うことでも、大相撲=「国技」=真剣勝負という一般感覚からすればとんでもない話だが、そもそも実力がない者が横綱になるなど論外もいいところ。本紙も、生の証言を聞いて掲載した後も、まだどこかで「いくら何でもそこまで酷いか?」との思いがあったが、なぜ、そんなことが起こり得るのか、そのカラクリが本書には生々しく綴られており、さもありなんと納得できた。

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