■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。
≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週金曜日の日経平均株価の終値は、21,686円と前稿比で-60円(前々稿+470円⇒ +17円→ +142円→ +232円→ +284円)安となり、6週連続上昇の夢は途絶えた。しかも、その途切れ方が悪い。米国株式市場は最高値圏を突破して、なおも上昇を続けているにもかかわらず、日本株が取り残されてしまったのだ。
先週NYダウは+410ドル高であったにもかかわらず、日経平均株価は-60円安であった。
先週の金曜日においても、7月のSQ値が、21,743円と高値で決まった後、一度もSQ値を上回れずに金曜日は引けてしまった。これは、典型的な“弱地合い”相場だ。また東証1部の売買代金は、8日連続で2兆円割れとなって、これは2年9ヵ月ぶりの惨状であると報じられた。
まずは、先週の筆者の売買動向から記したい。筆者は、木曜日までは動かずに、金曜日の寄り付き後、SQ値を上回れず下落し始めた日経平均株価と、マザーズ指数の急落をみて、日経平均先物を、資産と同程度の売りになるように気を払い完全ヘッジをかけた。すぐにでもNYダウをはじめとした米国株式市場が急落するかのような感覚を覚えたからだ。ただ、NYダウは、この夜もまっすぐ高値を切り上げて引けた。
さて、今週のストラテジーへと移りたい。
現在は、米国の利下げ期待から、米国株式だけにバブルが発生しているが、金利低下によるバブルが正当化されるには、米国債券10年物の利回りが上がる、わかりやすく、債権そのものが売られる展開でなければならない。国債と株式は、本来、水と油の性質を持ち両方買われるいまの相場には、違和感しか覚えない。おそらく、どちらかの動きが間違っている、ということなのだろう。
ここ最近の世界の景気指標をみても、相変わらずアメリカ以外の国の景気悪化が止まらない。特に米中貿易戦争の真っただ中にいる中国と、中国向けの貿易に強いドイツ・日本は惨憺たるさまで先行きが暗い。そして、米国の景気指標も、好悪入り混じるようになってきた。となれば、答えは必然的に決まっているのだろう。
今週は、米国企業決算が本格化しはじめ、17日には半導体のオランダ・ASML決算、18日には台湾・TSMCの決算が予定されている。この2社のガイダンスには特に注目が集まるだろう。ちなみに先週、世界に先駆けて決算発表をした世界の景気敏感株である「竹内製作所」(6432)、「安川電機」(6506)の今後のガイダンス(見通し)には、現時点でかぎ取れる明るい兆しは見当たらなかった。