アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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福島第一原発での被ばく労働に関する対政府交渉――厚生労働省の役人に怒号とびかう

 7月26日午後、衆院第一議員会館内で、福島第一原発で働く労働者の健康管理に関する、対政府交渉がおこなわれた。
とりくんだのは、全国労働安全衛生センター連絡会議や原子力資料情報室、ヒバク反対キャンペーンなど六つの労働・市民団体。政府からは厚生労働省、経済産業省、文部科学省が数人ずつ出席した。交渉は4月から始まり、今回で5回目となる。
交渉は労働団体側が7月11日に提出していた文書「福島第一原発で働く労働者の安全衛生に関する要請」について、三省庁がそれぞれ回答する形式で進行した。
焦点は、現場で働く作業員たちの被ばく状況と、それに対する政府の対応だ。
通常、原発などで働く「放射線作業者」の法的な制限線量は、1年間最大で50mSv、5年間で100mSvとなっている。しかし現在、福島第一については緊急作業にともなう特別措置ということで、被曝線量限度は250mSvにまで引き上げられている。
 交渉のなかで厚労省側は現在、「250mSvを超えた人は6人で、100mSv?250mSvの人は105人」と述べた。ちなみに、事故が起きる前の同原発で最も多く被ばくしたのは、20mSv超?25mSv以下の7人(2009年度。財団法人・放射線従事者中央登録センターのHPより)。最悪の原発事故を一刻も早く収束させなければならないとはいえ、通常の限度を大きく超える放射線を作業員は日々、浴びながら働いているのである。
厚労省は「我々も本音では、これ以上働かせたくない。それはみなさんと同じ思いだ」「東電側には、『5年で100ミリを超えることはダメだ』と徹底指導している。特別措置を廃止したいと考えている」と述べ、作業員の健康に配慮している姿勢を見せた。
ところが、労働・市民団体側が具体的な要請に踏み込むと、態度が一変した。

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