本紙は1年以上に渡り、大阪府警の汚職警官(辞職)がタッグを組み、地元の山口組弘道会系「大石興業」若頭(破門)に利益を得させるために絵を書いたと思われる2つの事件につき、現地取材も何度も行い、1年半近く、「山口組弘道会元幹部・府警・地検の癒着疑惑を追う」とのタイトルで20回に渡り報じて来た。
一言でいえば、汚職警官と弘道会直系組織の若頭(当時)が組み、ライバルの業者(糸正臣氏)と自分の親分(大石敏雄元組長。絶縁)を次々とデッチ上げ逮捕させたという前代未聞といってもいい大疑惑だ。
そして前者のケースでは、糸氏が門真市(園部一成市長=冒頭左写真)の小学校解体工事への下請け参入を狙っていたところ、邪魔になるため、汚職警官が元請けの地元企業「金川建設」への強要未遂容疑で逮捕。結果、若頭が背後にいる暴力団関係者の住野・岡田両名が濡れ手で粟で600万円を得たというものだ。
しかも、工事発注前、住野氏は単に知人に過ぎないのに、金川建設の営業部長に「身内が工事現場の近くに住んでいる。振動などあれば工事をストップさせることになるかも知れない」と因縁を付け、金川建設はこれに応じ、綿密な打ち合わせの上で利益を流していた。
このため、前出・糸氏の弁護人を務めた「後藤貞人法律事務所」(大阪市北区)は11年2月、「架空の工事の発注等を仮装した上で、地元の暴力団関係者に利益供与した疑いがある」として、関係者の供述調書や領収証などの裏づけ資料も添えた「調査委託書」(上写真)を門真市に提出していた。
だが、市は公金が暴力団関係者に流れた疑いがあるというのにこれを放置。しかし、戸田ひさよし市議(横写真=報道機関宛ての取材要請ビラ。*戸田氏のHP)がこの問題を議会で取り上げたこと(さらに最近、今田哲哉、亀井淳両市議も)から動かないわけにいかなくなり、それでも結論を延ばしに延ばし、実に2年半も経過して出した結論が実質的に「お咎め無し」だったのだ。