大手マスコミ既報(冒頭写真=「毎日」7月30日記事)のように、去る7月29日、成田国際空港(NAA)が、三里塚芝山連合空港反対同盟(北原派)の農民・市東孝雄氏(=下左写真。63)が耕作している農地の明け渡しを求めていた裁判で、千葉地裁(多見谷寿郎裁判長)はNAA側の言い分を認める判決を下した。
市東氏の全耕作地の4分の3に当たる農地(計7284?)や共同出荷場を明け渡せというもので、これが実行されれば、市東氏は親子3代に渡って続けて来た農業が出来なくなる。ただし、地裁は仮執行は付けず、また市東氏は控訴すると見られるから直ちに明け渡しは実行されない。
もっとも、これだけ見れば、市東氏の耕作地は賃借したもので、現在、同地の所有者はNAA。それにも拘わらず、市東氏は立ち退かないところ、NAA側は法に則り粛々と進めて来た当然の結果と思われる読者は少なくないだろう。だが、今回のこの明け渡し命令に至る過程で、NAAと地主が一体、すなわち成田開港=国策のなか、国側が詐欺的な行為を働いていた事実が、一連の大手マスコミ既報道ではスッポリ抜け落ちている。
強制撤去が可能な仮執行が今回の判決で付かなかったのも、さすがにその行為があったため、裁判所も建前上公平さを装うために仮執行付まで踏み込めなかったと見られる。
その詐欺的行為とは、何なのか?