2002~2003年ごろ、一部関係者の間で「ぱちモルガン」(=大阪弁で「偽物のモルガン」のこと)という言葉が流行ったことがある。
当時、東京はすぐ横に皇居お堀を臨む丸の内1丁目の超一等地に位置する「東京銀行協会ビル」(冒頭右写真)というリッパなビル(左写真)に、「エフ・エヌ・エス モルガン」、「モルガン・トラスト・ジャパン」なる企業が本社を置いていた。
いかにも世界的金融機関のモルガン・スタンレー、JPモルガンと関係ありそうだが、実際にはまったく無関係。それどころか、両社はまさにそう錯覚させ、詐欺を行うための小道具に過ぎなかった。
ほぼこの時期と並行して、中華人民共和国での出版権(社会主義の同国では出版するのに政府の許可がいる)を買わないかという、これまた詐欺話が出現した。
その結果、「ベネッセコーポレーション」、「博報堂」、「凸版印刷」といった大企業も実際に被害に会っている。
その主犯は、前出の両ぱちモルガンの幹部に就いていた久保和史氏(53)なる人物だった。
バブル時代、“南海のリゾート王”とも言われた高橋治則氏(東京二信組事件で逮捕。故人)や、「志村化工」の株価操作で逮捕された大物仕手筋・西義輝氏とも接点があり、また旧大蔵官僚のタニマチをしていたともいわれる。
多くの被害者が提訴すべく久保氏の行方を必死に追いかけているが所在不明。しかも未だに詐欺を働いている可能性もあり、上にこの久保氏の写真(眼鏡有と無の2点)を掲げた。50過ぎにも拘わらずおかっぱのような髪型が特徴。
この人物を見かけた方は是非、本紙に連絡いただきたいた。