パチスロ大手「ユニバーサルエンターテインメント」(旧アルゼ。6425。JQ。東京都江東区。富士本淳社長=下写真)が名誉を傷つけられていたとして12年12月、「ロイター」に対し192億円もの巨額損害賠償請求訴訟(ただし、とりあえずはその一部2億円のみ)を提起していたが、最高裁は7月19日、上告を棄却。ユニバーサルの敗訴が確定した。
この件は、ユニバーサル側が、フィリピン娯楽賭博公社(PAGCOR)のへニュイーノ会長(当時)の側近だったソリアーノ氏の関連会社などに計4000万ドルの不透明な送金を実施。それは、ユニバーサルがフィリピンでカジノホテル建設を計画し、フィリピン政府に外資規制の緩和などを要望していた時期と重なったことから報じていた。
この計4000万ドルの送金を巡っては、ユニバーサル自身、第三者委員会を設置して検討しなければならず、かつ、一部につき不適切な送金だったことは第三者委員会も認めるところで、明らかにスラップ(恫喝)訴訟だった。
ロイターに先立ち、同様のことを先駆けて報じた本紙に対しても1億円の同訴訟が提起され、これに関しては本紙の一部誤記を原因に本紙側が全面敗訴(「朝日」も)になっていただけに、実に喜ばしいことだ。