アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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注目されるVS明治安田生命の「不払い訴訟」、明日、結審予定

 本紙で以前、お伝えした(08年2月5日)、生保3位の「明治安田生命」(東京都千代田区。写真=本店)を被告、建設関係の中小企業を原告とする生命保険を巡る「不払い訴訟」(下写真=訴状表紙)だが、明日6月13日(金)に結審する模様だ(午前10時より。東京地裁609号法廷)。
この間、争点が絞り込めていない面などもあり、第3者にはわかりづらい面があった。だが、ここに来てさすがに絞り込めたことに加え、お互いの主張の食い違う箇所も明確になったので、改めてこの訴訟が注目される理由と、その争点に関してお伝えしたい。
 以前の記事も是非、ご覧いただきたいが、簡単にいえば、明治安田生命は「告知義務違反」を理由に不払いとした。
原告社長(当時。01年4月病死)は痛風で、死因の心筋梗塞と因果関係にある病気であるにも拘わらず、保険加入時の健康診断で過去にその治療を行っていたことを告知してなかったからだ。
これだけ見れば不払いは当然だが、実は原告側は1995年2月に保険加入。痛風治療を受けたのはその後だから、それだけなら保険金はもらえた。だが、途中で毎月の保険料支払い(約4万5000円)が厳しくなり、減額を要求。その結果、まったく別の約3万2000円で済む保険に入り直していた。痛風治療を受けたのはその再加入(99年11月)よりは前だったことから、明治安田生命は告知義務違反だと主張している。
だが、考えて見て欲しい。
いくら支払いが苦しいとはいえ、たかが月1万円ほど減額させるために、それまでに約4年半も支払いって来た保険料をほとんど無駄にし、しかもその間の加齢で保険料が高くなった別の保険に入り直すものか? しかも、実は単純に減額する(その場合、もちろんもらえる生命保険金額は減るが)ことは出来たのだ。
この訴訟、原告側が本当に主張したいのは痛風の告知がどうこうではなく、明治安田生命側に何らかのメリットがあり、錯誤ないし欺いてわざわざ原告には損で無駄な新規契約を結ばせたのではないという点なのだ。
これに対し、明治生命側は資金繰りに窮していた原告側は保険解約に伴う「解約返戻金」が欲しかったからだと主張している。もっとも、その額はわずか41万円。それに対し、原告側は解約返戻金が欲しいなどといったことはないと主張している。
通常、こうした場合、言った、言わないで堂々巡りになる。だが、この訴訟では原告側には重要な“証拠”があった。
社長(当時)が死去し、保険金が下りないと告げられた後のことではあるが、原告は担当の生保レディーと再契約時の状況を確認する話し合いを持ち、その録音テープが存在する。それを聞くと、明治安田生命の主張とかなり異なっているようなのだ。

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