連載でお伝えしたように、当局も捜査を開始し、いよいよ疑惑のタイ投資ファンド「アジア・パートナーシップ・ファンド(APF)」(本社=タイ・バンコク。此下益司会長=冒頭右写真)のXデーは迫って来ているようだ。
それと共に、さすがに投資家の間で、APFはもう資金繰りが厳しくなっているとの認識が浸透して来た。
今年春に、こんな出来事があった。
APF側の伊藤や三木、久保、渡辺各氏が各投資家を訪ね、投資額の2割なら来月返金するからといって回った。こうしたなか、何人かの投資家はそれぞれの経済事情等もあってこれに応じ、渋々サインした。
「だが、いつもの手口で結局、その2割の資金さえ返って来ませんでした。それで、最後まで信じていた投資家もさすがに刑事告訴する決心がつき、今では大阪府警に相談窓口があるほどです」(元投資家)。
ところで、この間、本紙には複数の関係者が情報提供してくれているが、そのなかには現役のAPF関連会社社員もいた。だが、彼らもここに至り、良心の呵責やこのままでは自分もヤバイということで現在はOBになっている。
「未だ残っているメンバーは皆、さすがに詐欺だろうとわかって行動していると思われ、したがって犯罪集団のメンバーといっていいと思います。最後には、“此下(益司APF)会長に言われてやっただけのこと”と逃げるかもしれませんが、ここに来てそれは通用しませんよ」(当局関係者)
そこで、本紙はいま現在も居残り、不正行為に関与している可能性が高いと思われるメンバーをピックアップしてみた。
前出の伊藤や三木、久保、渡辺各氏4名も含め、その数は15名に上った。
以下、その全員の名前、肩書き、どのような不正に関与していた可能性があるのか、できる限り列記してみた。