ジャスダック上場、業務用カラオケ大手「第一興商」(東京都品川区。和田康孝社長)の創業者一族の自社株をめぐる疑惑について前回(第175回。9月7日)報じたが、取材を進めると、すでに名誉会長に退いているにも拘わらず、いまだ経営を支配している保志忠彦氏に対する疑惑が数々浮き彫りにされて来る。(冒頭写真=直営のカラオケ店「ビッグエコー」を運営も)
同氏が自身の保有株を2人の息子に生前贈与する直前に、同社株が急落し、この背景には「贈与税を圧縮するため、意図的なもの」との疑惑が浮上しているわけだが、これを裏づけるかのように、そのころ保志忠彦氏が「自社の株価が下がるのを喜んでいる経営者は俺ぐらいなものだろう」との発言を多くの幹部に漏らしていた。株主無視もはなはだしい話だ。
さらなる疑惑は、その贈与税支払いのために、2人の息子が三菱UFJ信託銀行から融資を受けた併せて60億円の返済に関して。