昨1月9日の「日経」が、破綻した大手不動産会社「アーバンコーポレーション」と仏大手証券「BNPパリバ証券」との例のスワップ取引の非開示の件について、興味深い記事を掲載している(冒頭写真=同記事の一部)。
当時、東証1部に上場していたアーバンは、パリバのこの300億円の新株予約権引受で当面の資金繰りはクリアになったとしてアーバン株を買った投資家は多かった。ところが、実際には非開示のスワップ契約が交じらわれており、アーバンは実際には92億円しか調達できておらず、もし、この契約が開示されていたらアーバン株を購入しなかったとして、株主が提訴しているのは本紙でも既報の通り。
この非開示、現在の法律では開示は義務づけられていない。だが、日経が内外の主要証券会社12社へアンケート調査を行ったところ、回答があった7社の圧倒的多数は適時開示について違法どころか、実態としてはインサイダー取引、偽計取引といっていいとしている。パリバは転換社債引受前からアーバン株を売買しており、空売りで儲けた疑惑もあるからだ。
金融庁や証券取引等監視委員会は、今回の取引が違法と判断する明確なルールがないとして、未だパリバへの処分は見送っている(アーバンへは虚偽記載で課徴金を課した)。だが、そんな生やさしいことでは、まともな投資家にはソッポを向かれるのではないか。
本紙既報の、日本振興銀行のSFCGの債権買取もこの件同様、脱法行為といっていいのではないだろうか。