わが国の重要情報を握る政府関係者の圧倒的多数は、むろん民意など真剣に考えていない。彼らが考えているのは自分らの権力をいかに保持し続け、その恩恵に自らが浴すか。
生死の問題に関わる、福島原発事故の放射汚染についてさえそうで、本音をいえば、「“民間人”の生死など知ったことではない」そうだ。
そう語るのは、重要情報を知り得る立場にいて、数少ない、民間人の立場に寄った政府関係者。
その関係者が、余りの民意、国益無視の状況に、本紙についに重い口を開いた。
その対象は福島原発から小沢一郎裁判、普天間基地移設問題、TPP問題などまで及ぶ。その1回目は福島原発の現状だ。
東電などは11月30日、福島第一原発でメルトダウン(炉心融解)を起こしたものの、しかし、最悪の1号機にしても、核燃料は格納容器の底まで後37?のところで止まっていたと推定されると発表した。
これは実に重要な発表だ。
というのは、今後の最悪の懸念は、溶けた核燃料が格納容器、その先にあるコンクリートを突き抜け、地下の地盤に達することだったが、その懸念を打ち消すものだったからだ。
この東電の発表を、大手マスコミは大きく報道(冒頭写真=「毎日」12月1日1面記事)。だが、政府関係者(仮にA氏としておく)によれば、この東電の発表、実に限りなく根拠の怪しいものだというのだ。
「記事に“推定”と書かれているように、これは別に目視したり、映像で確かめたものではない。あくまで、いろんな条件から計算上、推定したものに過ぎない。ですが、それでもこれだけ大きく発表する以上、当然ながら、この計算をする公式な計算式があり、それに諸条件の数値を入れて計算したものと思いますよね。ところが、そもそもそんな計算式は存在しない。
東電などが独自に、希望的観測で持って、デッチ上げたものに過ぎません。それを何ら検証せず、タレ流す大手マスコミもマスコミです」(A氏)