アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

<書評>「いまからでも間に合う! 家族のための『放射能を解毒する』食事」(生田哲。講談社)

 福島第一原発事故による放射能拡散で、食べ物や水を通じた内部被曝の不安が、日本列島を覆っている。 コメや野菜から基準値以上の放射能がたびたび検出されているから、市場に出回っているものは安全とは思えなくなってきた。そもそも、内部被曝は蓄積されるから、「基準値以下ならば安全」とは言えない。 幼い子どもを抱える親にとっては心配が募る一方だろう。 こうしたなかでただちに放射能対策の参考になる本が出版された。 本書はまず第1章で、内部被曝の問題点や大甘な日本の基準値を指摘、放射性物質を「解毒するしくみ」が解説される。次の第2章で、福島第一から放出された放射性物質(ヨウ素、セシウム、ストロンチウム)がそれぞれ人体にどのような影響を及ぼすのかを説明。“むしろ低レベルの被曝が怖い”という、その理由がわかる。 以上は内部被曝と食べ物を考える前提として、知っておいた方がよい。予備知識なしでも、わかりやすく読める。 本書の肝となるのが第3章以後。放射能を「解毒」する食べ物、栄養素は何か、そしてなぜそれが「解毒」する作用をもつのかが述べられる。 詳細はぜひ本書を手にとってご覧頂きたいが、例えばセシウムの「解毒」にはリンゴがよい、という。なぜかというと、セシウムを体外に放出するペクチンという食物繊維がリンゴに含まれているからだ。 逆にジャンクフードはビタミン、ミネラル、食物繊維がとても少ないので、放射性物質が体内に取り込まれやすくなる、という。 食材、栄養素と放射性物質の関係が具体的に述べられているので、内部被曝を防ぐ毎日の食事の目安にすることができる。 さらに巻末には、栄養素の「解毒効果」、「解毒する栄養素」を含む食材のリストがまとめられている。 まえがきで著者は、「子どもを放射能から守る食事は、大人も健康にします。だから、本書で提案した食事を習慣化できれば、子どもも大人も、家族そろって健康になれると確信しています」と述べているが、その意味でもおすすめの本だ。…

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