■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。
≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週末の日経平均株価の終値は21,603円と、週間で+177円高と3週連続の上昇となった。金曜の夜には米国の経済指標(GDP)がコンセンサスを上回り、日経平均先物CFDも21,756円と、力強く戻ってきている。
先週目についたのは、金曜日のGDP発表からの米金利上昇、合わせてVIX指数低下からの「円安」だろう。ドル円は、現在111.935円と、核保有国のパキスタンとインドが非常に険悪な状況で、通常ならば地政学リスクからの円高となりかねないところだが、極めて強い推移だ。
この状況なら、予想外のことさえ起こらなければ、今週金曜日の国内「メジャーSQ」は高く収まりそうだ。
件の米中貿易摩擦に関しても、閣僚級(ライトハイザー氏参加)の貿易交渉が終わり、ロス商務長官から「中国政府に、国有企業への補助金削減と、為替の市場介入の開示を約束させた」と、ご満悦発言が飛び出している。よって今週は、3月中旬に予想されるトランプ大統領と習金平の首脳会談の日程さえ決まれば、その日までは安泰となり株高を楽しめそうだ。※逆に決まらなければ、混乱が起こっていることを意味するのでたいへん危険な状況になる。
ただ、今週からは3月末の機関投資家の決算売りもでることが予想されるし、輸出企業も決算のための円買い需要も出てくる。また例年、彼岸底(3月18日)と言われるので、用心に越したことはないだろう。
警戒ラインとしては、まずはNYダウの5日線近辺である26,000ドル。これを引け値で割った場合は、為替の111.2円割れ、コモディティ商品である原油と銅、そしてHY債に波乱がないかをまず確認したい。仮に300ドルなどの大きめの下落が来た場合は、現在が高値圏であることをしっかり認識して、「日経ダブルインバース(1357)」や「恐怖指数VIX(1552)」を保有することは忘れずに。
また、筆者は「マザーズ先物」に関して、週明けに撤退を考えている。海外勢の売り越しが目立ってきている中(※テクニカルの項に後述)、上げ続けてきたのでそろそろキャッシュポジションとし、全体相場の下落に備える心づもりだ。